Summer Rainbow. (ページ30)

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【30】好きページ30

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「今日は、ありがとうございました！」

ホールを出て、ペコリと二宮さんにお礼する。

「ゲスト出演した、バイオリニストの中澤さん！私、憧れの人なんです！」

間近で憧れの人の演奏を見られて興奮しちゃって、ついベラベラとしゃべっちゃう。

和也「ンフフ(笑)楽しんでくれたみたいで良かった」

そんな私を見て一切イヤな顔しないで、ンフフッて可愛く笑う二宮さん。

それにつられて、私もヘラヘラと笑ってしまった。

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そこからは普通に流れで、ご飯を食べることになって。

コンサートの話とか、ニノミヤ名字トークとか。

「小学校の頃、男の子に金次郎ってバカにされました」

和也「女の子でも金次郎って呼ばれんだ(笑)俺も呼ばれてた(笑)」

なんて、他愛もない会話をした。

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お店を出て、夜風に当たりながら2人並んで歩く。

「ご馳走様でした」

和也「いーえ、逆に今日付き合ってくれてありがとう」

「誘ってもらえて良かったです。あ、でも」

・・・気になっていたことが、一つだけ。

和也「ん？」

「彼女さんに悪いなっていうか。別に、やましいことは無いですけど！」

和也「・・・」

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「あの、二宮さんって彼女・・・」

和也「─────・・・いるよ」

「・・・」

ピューッと、季節外れの冷たい風が私たちの間をすり抜ける。

「そ、それなら余計申し訳ないっていうか。でも今日はありがとうございました！」

精一杯の笑顔で二宮さんの顔を見る。

でも何だか辛くなって、すぐに俯いた。

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心の準備はどこかで出来てはいたんだ。

唯一の救いは、私がこの気持ちを口にする前に分かって良かったということ。

和也「大丈夫。彼女、俺に対して興味ないから。それより・・・」

「・・・？」

和也「“二ノ宮さん”って呼びづらいから、“Aちゃん”って呼んでも良い？」

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ずっと、ずっと、ずっと。

この気持ちに気付かないフリをしてたけど、もうそれも無理かも。

「・・・はい」

和也「Aちゃん・・・やっぱりコッチの方がしっくりくる」

・・・そう笑うアナタに、“好き”って感情を認めてしまった。

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