Summer Rainbow. (ページ28)

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【28】ザワつく胸～Masaki～ページ28

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今までに感じたことのない雰囲気が、ニノから漂う。

だから、麗華ちゃんの話には触れない方が良いのかなって・・・

和也「ゴメン、うるさかったよね」

雅紀「あ、いや・・・大丈夫だけど」

和也「最近ずっとこんな感じなの。疲れるよね」

無理して俺に笑顔を作ってるけど、それはニノなりの気遣いなんだと思う。

きっと俺がニノを心配するからって、ニノは分かってるから。

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雅紀「無理しないでよ？」

和也「ん、大丈夫」

雅紀「なら良いんだけど・・・」

口ではそう言うけど、本当はすごく心配。

だって今までにも、ニノから“大丈夫”って言葉は何回も聞いてるから。

雅紀「ねえ、ニノ。麗華ちゃんと─────」

和也「分かってる」

雅紀「・・・そっか」

そこからはもう、何も言えなかった。

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雅紀「・・・」

“─────別れた方が良いんじゃない？”

いつまで経っても、俺がニノに対して言えない言葉。

それはニノだって、そうした方が良いって分かってるだろうから・・・

俺は、深く突っ込まない。

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和也「ねえ、相葉さん。お腹空いた」

雅紀「はいはい、作りますか」

それにしても……と、シャツの袖が濡れないように捲りながら、ふと思う。

・・・まさか麗華ちゃんが“二股常習犯”だったとは。

俺がもし女でニノと付き合ってたら、浮気なんて絶対しないのにな。

なんてな事を悶々と考えながら調理したせいか・・・

和也「なんか、いつもより味濃くない？」

雅紀「・・・あ、ホントだ……」

得意の生姜焼きも、今日はどこか美味しくない。

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雅紀「ニノ、スマホ光ったよ？」

なぜか、俺の近くに置いてあったニノのスマホを本人に渡そうとした時─────

雅紀「・・・あ」

和也「ん？」

雅紀「あ、いや、何でもない！」

ホーム画面が明るくなった時に見えた新着メッセの相手に、【A】の文字。

・・・この夏、何かが変わるかも知れないな……って何だか胸がザワついた。

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