Summer Rainbow. (ページ21)

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【21】虹橋ページ21

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「・・・」

二宮さんの隣に並び、歩くのは良いものの・・・

お互い一言も交わさないから、送られてる感はゼロ。

近くを歩く、通行人みたい。

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和也「・・・家どの辺なの？」

駅に近づいてきた頃、やっと話しかけられた。

「虹橋の近く・・・あ、えっとドコって説明したら良いかな……」

私の家の近くにかかる虹橋は、そんなに有名じゃないから知らない人が多い。

なるべく分かりやすく説明しようと、頭をフル回転させたら、横からクフフって笑い声。

和也「俺ん家も、虹橋渡ったトコだから分かるよ」

「え！そうなんですか」

同じ名字に加え、家も近いなんて・・・偶然って案外重なるものなんだな。

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和也「虹橋のジンクスって知ってる？」

「え、そんなのあるんですか？」

大学生の頃から今の家に一人暮らししてるけど、そんな話は聞いたことなかった。

和也「橋が7色に光る日が、何年に一度あるみたいよ」

「へぇ、素敵！知らなかったなぁ・・・」

和也「レインボーブリッジと掛けてるんだって」

・・・なるほど。確かに名前も虹橋を英語にすると、有名な大きな橋と一緒になる。

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そんな話を続けてたら、駅に着いて、電車に乗って。

最寄りの駅から虹橋に向かって2人で歩いて。

和也「俺、虹橋渡った向こう。二ノ宮さんは？」

「あ、駅からだと渡らないです。コッチ」

ちょうど虹橋が見えてきたから、家のある方を指差した。

和也「じゃあ、虹橋でバイバイだね」

「・・・はい。ありがとうございました」

いつもはちょっぴり長く感じる帰り道も、今日はすごく短く感じる。

それはきっと、二宮さんと帰ってきたからなワケで・・・

和也「じゃあ、気を付けて帰るんだよ？」

優しく口角を上げる二宮さんが虹橋のライトアップに照らされて、つい見惚れちゃう。

和也「ん？」

それに気付かれたのか、二宮さんは不思議そうに小首を傾げたのを見て、慌てて口を開く。

「今日はありがとうございました！じゃあ・・・」

和也「ん、バイバイ」

ゆらゆらと私に手を振る二宮さんに、私も同じように手を振って、家の方に歩いた。

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