Summer Rainbow. (ページ2)

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【02】ハジマリの約束ページ2

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七海「もしもーし？」

そればかり口にして、なかなか話出さない七海を見つめる。

そんな七海に「出ないの？」と小さく聞くと、コクンと頷いた。

七海「何にも聞こえない。ほら」

テーブルを乗り出した七海が私の耳に、黒いスマホを当てた。

「・・・ホントだ。何にも聞こえない」

聞こえてくるのは、時々ザーッという音だけ。

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「やっぱり、店員さんに─────」

『・・・もしもし？』

耳からスマホを離しかけた時、電話の向こうから男の人の声がした。

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「あ、の……勝手に出てしまって、すみません」

『良かったぁ！出てくれて、ほんっとにありがとう！』

「・・・え？」

電話の向こうの人は、ただひたすら感謝の言葉を述べてる。

・・・どうすれば良いんだろう……

と困っていた時、スッと私の手からスマホが離れていった。

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七海が「私に任せて！」って、得意げに笑って自分の耳にスマホを当てた。

七海「あ、もしもーし！このスマホ、お兄さんのですか？」

「・・・」

七海「私達アムールってお店に居て、このスマホ見つけたんです」

「・・・」

七海「あ、そうなんですね～！全然良いですよ？」

「・・・」

七海「7時に駅前のコーヒーショップですね？はい、大丈夫ですよ」

「・・・」

トントン拍子で話が進んでいってる事に少しの不安。

落とし物を届けるだけなら良いけれど、何か危ない事に巻き込まれたりでもしたら・・・

そう考えると、電話の相手に警戒心が生まれた。

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七海「7時に持ち主さんと会う事になったから、Aも一緒行こ？」

「・・・その人、危ないんじゃない？大丈夫だった？」

七海「大丈夫！Aは警戒心が少し強すぎるの！凄い優しい人だったよ？」

会ったこともない人の良さを笑顔で語る七海を見て、私は上手く笑えなかった。

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