名取先生と、2 (Daiki.A) (ページ1)

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あなたさいど

ちらっと名取先生の方を見ると、口をパクパク開いたり閉じたり開いたり閉じたりさせて、何か私に話してくれようとしている。

この空気に耐えられなくなったのかな？

かわいいかよ、、、、

名取先生になら、全部話してもいいかな。そう思えた。

貴「私！」

いきなり出した私の声に、名取先生が驚いた顔でみている。

貴「、、、、ずっとずっと大嫌いでした。、、、、父のこと、」

名「え？」

笑って言うしかなかった。

だって、泣いてしまいそうだったから。

貴「、、、、口うるさいは、金づかいは悪いは、酒癖悪いは、ついでに女癖も悪い。、、、、最低でした。、、、、私の父は、」

名取先生、引いたかな？

急にこんなこと言って。

貴「浮気して、、、奥さんに逃げられて、、、ついには親にまで見捨てられて、、、ずーっと私と二人っきり。それでもまだ、小さい私を家において夜遅くまで飲みにいっちゃって帰って来ない。お金だって全然ない。、、、、最低でした。本当に。、、、、普通の家庭がものすごく羨ましかった。、、、、だからなんかもうイヤになっちゃって、、、、家飛び出したんです。私。」

大丈夫かな？

名取先生は、これを知ってどう思うかな？

今ごろ話して後悔してるけど、今誰かに話したくてしかたなかった。

名取先生に、聞いてほしくてしかたなかった。

そんな優しい目で見ないでよ。

なんで、名取先生が泣いてるの？

なんで、なんで、そんな、、、

ああ、だめだ、、、泣いちゃいそう。