５９話 ページ19
｢恩を返す気あんだろ。｣
｢うん、あるよ。何がいい？｣
｢じゃあ言え。｣
｢は？何を？｣
｢わかるだろうが。｣
｢…なんのこと？いや、割と本気でわかんない＿＿＿＿…｣
数十秒間の沈黙が流れた。それもそうだろう、勝己のあの質問の仕方で、私はとあることに気がついてしまった。気づいてしまったから、何も言えなくて黙り込んだんだ。険しい顔をしていた勝己はいつの間にか真顔になっていて、黙って私を見つめている。
やめてくれ、頼むから、こっちを見ないでくれ。
視線が合ったまま、ジワジワと私の頬に熱が集まる。頭の中で必死に考えていた、どうにかしてこの状況を抜け出せないかな…なんて。
｢
｢…な、なんのことでしょうかね？｣
｢往生際がわりんだよ、さっさと言え。｣
｢む、むり、かな…なんて……アハハ…｣
｢あ"？｣
｢…｣
勝己は恐らく、私の気持ちに気づいてる。昨日も言ってたもんね、｢お前俺のこと好きだろ。｣って。気づいてて…わかってて、私に言わせる気なんだろう。
そうだよ好きだよ、もう気づいちゃったよ私。
相手が勝己だったから気づくのが遅かっただけで、元々こういうことに鈍いわけじゃないし、恋愛に疎いわけでもない。でも、素直に口から言葉が出て来ない。往生際が悪いんだよ、自分でもわかってる。
言いたくないって思ってるのは、多分、勝己に｢好きなのは実は嘘｣って言われるのが怖いだけだ。
｢私は臆病者なんだよ。｣
｢知るか、何の話だ。｣
｢笑わない？｣
｢さあな。｣
｢…じゃあ、１個だけ聞くけど、勝己は私のことまだ好きでいてくれてる？｣
私の顔は恐らく真っ赤だろう。相変わらず勝己は手を離してくれないから目がずっとあったまま話してる。
私の質問に勝己は短く｢それがどうした。｣と、返してきた。否定しなかったということは、恐らく私のことをまだ好きでいてくれてるってことなんだろう。私は前まで勝己のこと好きじゃなかったのに、勝己は未だに私のこと好きでいてくれるんだね。
こうやってめんどくさいながら答えてくれるのも、この間みたいに文句を言いながら世話をしてくれるのも、手を繋いでくれるのも全部、私のことを好きでいてくれるからだ…って、思ってもいいのかなぁ…
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名取(プロフ) - コナさん» コナさんさえよければ覗きに行ってみてください、私なりの解釈になってしまうとは思うんですが、楽しんでもらえるように上鳴くんのお話更新頑張りますね……！！ (2018年12月1日 0時) (
レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - コナさん» コナさんありがとうございます、そしてとても長い2ヶ月間お待たせして本当にすみません、リクエストくださった上鳴電気くんの小説スタートしました。1日5話更新は難しいのですが今後はコツコツ更新させてもらいます。 (2018年12月1日 0時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
コナ(プロフ) - 名取さん完結おめでとうございます！とても素敵なラストでした。爆豪くんの解釈が一致していたので違和感なく読むことが出来ました。素敵な小説をありがとうございました。 (2018年10月4日 17時) (レス) id: e552838be7 (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - コナさん» コメントありがとうございます、恐縮です…私には勿体無いんじゃないかと思えるような言葉をくれて…ありがとうございます、とても嬉しいです。新作の準備と今作の更新、これからも頑張らせていただきますね…！ (2018年7月7日 10時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - 小豆さん» コメントありがとうございます、爆豪くんの作品は書いてて不安な点も幾つかあったので、そう言っていただけて安心しました。応援してくれてありがとうございます、励みになります。これからも更新頑張らせていただきますね…！ (2018年7月7日 10時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名取 | 作成日時：2018年6月25日 12時
