５１話 ページ11
ーーーー…
｢Aちゃん？大丈夫？｣
｢へっ？｣
悶々と考え込んでいると、いつの間にか学校の教室についていたらしく、お茶子ちゃんが心配そうに私を眺めていた。
パッと勝己の方を見てみると、勝己は何事もなかったかのように自分の席につき荷物をまとめている。そう、至っていつも通りって感じに。なんであんなにいつも通りでいられるのかね…私がおかしい？？のか？？
はぁ、と浅くため息を吐きながら、お茶子ちゃんに｢なんでもないよ｣と笑いかけた。
｢恋のため息やね。｣
｢べっ！？別にそんなんじゃ…っ！！？！？｣
｢Aちゃん…動揺しすぎ…｣
｢…動揺なんてしてないよ…普通だよ、普通。｣
｢顔真っ赤なのに？｣
｢赤くないです。｣
畳み掛けてきているかの如く私にポンポン言葉を投げかけてくるお茶子ちゃん。言葉がピンポイント過ぎてしんどい…勘弁して…と思いながらお茶子ちゃんを席につかせようと背中を押す。
すると、くるりとお茶子ちゃんが振り返り、私の耳元で小さな声で一言呟いた。
｢さっきからずっと爆豪くんがこっち見てるよ。｣
｢ハイ？｣
まさかそんな。
そんな言葉を呟かれた私はそんなことを思いながら、ほぼ反射的に勝己の方へ顔を動かしてしまった。くるりと顔を動かし勝己を見ると、お茶子ちゃんの言った通りコチラを見ていたであろう勝己と目が合った。
バチリ。
目が合った瞬間、何故かドッと心拍数が早くなるのを感じた為勢いよく目を逸らす。目の前にいるお茶子ちゃんは、ニマニマとそれはそれはもう嬉しそうに笑っていた。
｢Aちゃんかわいい〜｣
｢可愛くない！！お茶子ちゃん楽しんでるよね！？｣
｢そんなことないよ〜？｣
｢絶対嘘だ…｣
お茶子ちゃんに散々からかわれて私が意気消沈していると、お茶子ちゃんはスタコラと自分の席に戻って行った。
心配してくれたのは嬉しいんだけど、こう、からかわれるタイミングが悪過ぎてどうしたらいいかわかんない…もういっそ勝己については触れないでほしいよ、私絶対動揺を隠せないから…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 876人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名取(プロフ) - コナさん» コナさんさえよければ覗きに行ってみてください、私なりの解釈になってしまうとは思うんですが、楽しんでもらえるように上鳴くんのお話更新頑張りますね……！！ (2018年12月1日 0時) (
レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - コナさん» コナさんありがとうございます、そしてとても長い2ヶ月間お待たせして本当にすみません、リクエストくださった上鳴電気くんの小説スタートしました。1日5話更新は難しいのですが今後はコツコツ更新させてもらいます。 (2018年12月1日 0時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
コナ(プロフ) - 名取さん完結おめでとうございます！とても素敵なラストでした。爆豪くんの解釈が一致していたので違和感なく読むことが出来ました。素敵な小説をありがとうございました。 (2018年10月4日 17時) (レス) id: e552838be7 (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - コナさん» コメントありがとうございます、恐縮です…私には勿体無いんじゃないかと思えるような言葉をくれて…ありがとうございます、とても嬉しいです。新作の準備と今作の更新、これからも頑張らせていただきますね…！ (2018年7月7日 10時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - 小豆さん» コメントありがとうございます、爆豪くんの作品は書いてて不安な点も幾つかあったので、そう言っていただけて安心しました。応援してくれてありがとうございます、励みになります。これからも更新頑張らせていただきますね…！ (2018年7月7日 10時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名取 | 作成日時：2018年6月25日 12時
