３０話 ページ31
｢勝己、最近優しいから、なんで優しいのかわかんない。登下校に手を繋ぐのも分からないし、お昼奢ってくれるのもわからない。今も、なんで手を繋いでたのかなって。
わかんないことだらけで、頭痛くて…気づいたら悩んでた。｣
｢…｣
｢ほら、なんで今も怒んないの？いっそ怒って………怒鳴って、馬鹿とかグズとか言ってくれれば、やっぱり勝己は私のこと嫌いなんだって思えるのに。｣
｢誰がいつ嫌いっつったんだよ。｣
確かに、一回も言われたことはないけど。
気づいた時には勝己はベッドに腰掛けていて、私のすぐ側にいた。
きっと今までの、どんな時よりも距離が近い。目を合わせたままでいることの方がしんどいし、勝己の言葉を理解するのもしんどいし。
頭が痛くて、気だるくて、まともに距離を取ることもできない。ねぇ勝己、今何考えてんの。私は典型的な馬鹿だけど、そこまで鈍くはないんだよ。
｢早く気づけよ。｣
｢何に？｣
｢…それを俺が言ったら意味ねぇだろ。｣
｢何それ、わけわかんないんですけど。｣
｢やっぱ馬鹿だな、お前。｣
｢知ってる、てか近い。｣
近い、と言いながら勝己を押し退けようとするけれど、私は熱の影響か力が入らないし、勝己はビクともしない。
嫌だ、こんなに近くにいるのは落ち着かない。心臓がうるさくなるから嫌だ。
嫌なのに、勝己は一向に離れようとしてくれないし、それどころかジリジリと近づいてきている。私の頬に、勝己の手が触れた。
……私は病人なんだぞ、いい加減安静にさせてくれ。
｢ま、って、無理。｣
｢は？本当に嫌なら個性使ってみろよ。｣
｢こんな時に個性使ったら余計具合悪くなる…｣
｢残念だったな、いい加減諦めろ。｣
｢…っ｣
私は今個性発動防止用の手袋をはめていなかった。だからしようと思えば、いつでも個性を使うことは出来た。
でも個性を使うことは出来なかった、それは何故なのか、自分でもわからない。個性を使えば、勝己を止めることは出来たはずなのに。
近づいてくる勝己を止められなくて、案の定、私は口を塞がれた。
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レルル - あ、すんません196って2乗でした死んできます (2018年7月31日 8時) (
レス) id: dcaaa97ec7 (このIDを非表示/違反報告)
レルル - 4の4乗は196ですよ〜。 (2018年7月31日 7時) (レス) id: dcaaa97ec7 (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - ニッシー(=´∀｀)さん» コメントありがとうございます、楽しんでいただけて私も嬉しい限りです、今後も楽しんでもらえるように更新頑張らせていただきます…！ (2018年6月25日 17時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
ニッシー(=´∀｀) - 楽しい！ (2018年6月22日 21時) (レス) id: e4fd1957c8 (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - コナさん» 迷惑だなんて、そんなわけないです。私の書く作品を好きだと言ってくれて、その上リクエストをくれるなんて、全てのお言葉が嬉しかったです。応援もありがとうございます、コナさんの、そのお言葉一つ一つが励みになってます、今後も頑張らせていただきます…！ (2018年6月17日 0時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名取 | 作成日時：2018年6月12日 10時
