２１話 ページ22
私の母の目には勝己の粗暴な振る舞いが見えないらしい。特殊なフィルターでもついてるのかな？？
涙目になりながら足を摩っていると、突然勝己が私の腕を掴み、強制的に立ち上がらせ、リビングの椅子に座らせた。
早く飯を食えってこと…なのかな…
と思い、私は朝食を済ませた。
朝食を食べている最中、何故か勝己は私をじっと見つめていて、非常に食べづらかったです。
｢行ってきます…｣
｢はーい、いってらっしゃい｣
お母さんに元気よく家を送り出されて、私たちはまたも手を繋いで家を出発する。今日の朝はいつにも増して散々だった。頭が痛いわ足が痛いわで、私は何故朝から負傷しているんだろう、と、疑問を抱かずにはいられないレベル。
｢…んだよ。｣
｢いや…何でもない…｣
それもこれも、全ては勝己の私に対する嫌がらせの一つで。私は今更そんな勝己の粗暴な振る舞い一つ一つを気にとめてなんていなくて。
でも、なんとなく今日の勝己は機嫌が良さそうで。
なんで機嫌が良いのかな…と、そこだけは気になったりした。聞けないけどね、うるさいって言われそうだし。これ以上傷を増やしたくないし。
相変わらず隣にいる勝己は特に何も喋ってくれないから、私がちょくちょく思い浮かんだしょうもない話をしたりして歩いていると、私たちの後方から何かが走って近づいてきた。
｢はよー爆豪！！来栖！！｣
｢わっ、｣
｢…チッ｣
｢あ、爆豪今舌打ちしたな？｣
後からポン、と、私達の背中を軽く叩いて挨拶したのは切島くんだった。
切島くんは勝己の方へ近づき肩を組むと、何やら楽しそうに会話を始めた。
｢来栖、ちょっと爆豪借りていーか？｣
｢うん。｣
｢勝手に人を借りようとしてんじゃねークソ髪！！｣
｢まぁまぁ、ちょっと話があるだけだって！｣
切島くんが勝己に肩を組み話し始めると、私と繋いでいた勝己の手が、自然とするりと離れていった。
あ、離れちゃった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 780人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レルル - あ、すんません196って2乗でした死んできます (2018年7月31日 8時) (
レス) id: dcaaa97ec7 (このIDを非表示/違反報告)
レルル - 4の4乗は196ですよ〜。 (2018年7月31日 7時) (レス) id: dcaaa97ec7 (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - ニッシー(=´∀｀)さん» コメントありがとうございます、楽しんでいただけて私も嬉しい限りです、今後も楽しんでもらえるように更新頑張らせていただきます…！ (2018年6月25日 17時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
ニッシー(=´∀｀) - 楽しい！ (2018年6月22日 21時) (レス) id: e4fd1957c8 (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - コナさん» 迷惑だなんて、そんなわけないです。私の書く作品を好きだと言ってくれて、その上リクエストをくれるなんて、全てのお言葉が嬉しかったです。応援もありがとうございます、コナさんの、そのお言葉一つ一つが励みになってます、今後も頑張らせていただきます…！ (2018年6月17日 0時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名取 | 作成日時：2018年6月12日 10時
