第20話 ページ21
ーーーー…
本日最後のチャイムが鳴る。
それと同時に私は立ち上がり、A組の教室へ向かう。扉に手をかけ、中へ入ると、そこには轟くんだけが自分の席に座って待っていた。
出久には、"放課後教室で待っていてほしい"と、轟くんに伝えてもらったから、恐らく何のことか轟くんは知らないと思う。
机に近づくと気づいたようで、逸れていた視線が私へ向けられた。
｢ごめんね轟くん、わざわざ残ってもらって。｣
｢別に大丈夫ですけど…話って…｣
｢轟くん、ごめんなさい。轟くんの気持ちには答えられない。｣
真っ直ぐに目を見ながら言えたかな、声、震えてなかったかな。
不安な要素だらけだけど、目を見ながら言うことは出来た。
どんな顔をされるだろうと身構えていたけれど、私が返事を言ったあとも、轟くんの表情は一切変わらなかった。
｢緑谷から伝言を伝えられた時から察してはいたけど、随分早く言うんだな。｣
｢早く答えるべきかな、と思ったから。｣
｢先生、一個聞いていいか。｣
｢なに？｣
｢俺のことが嫌い？｣
｢……嫌いじゃ、ないよ。｣
｢そうか。｣
目を細め、微笑みながら、轟くんはそう呟いた。
…どうして、笑っているの…？
私は轟くんに対して、あまり良いとは思えないことを言ってるはずなのに。
｢言ってしまったあの日から、先生からなんて答えが返ってくるかなんてわかってた。｣
｢…｣
｢わかってて、あの言葉を取り消さなかったんだ、先生。｣
手を握られる。その時も、轟くんは真っ直ぐこちらを見つめている。
わかってて…取り消さなかった？断られるって、轟くんも思ってたってこと？なら、どうして…。
私の目の前に立つ轟くんはあの日と同じ表情だった。酷く優しくて、無邪気な子供のようで。
｢俺は別に、答えが欲しかったわけじゃない。｣
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名取(プロフ) - 漱さん» コメントありがとうございます、作品のことを好きだと言ってもらえてとても嬉しいです。今後も楽しんで貰えるようにコツコツ更新頑張ります！ (2018年6月7日 13時) (
レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - あーーーーすごく好きです！！！！更新頑張ってください！！ (2018年6月6日 23時) (レス) id: a1b019c15f (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - ミクさん» コメントとっても励みになります、本当にありがとうございます。楽しんでもらえるように、これからも更新頑張りますね…！ (2018年6月4日 2時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
ミク - 続きがとても気になります！更新頑張って下さい！ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 38ae65cfeb (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - 凜花さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます、コメントとても励みになります、これからも更新コツコツ頑張ります…！ (2018年6月2日 1時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名取 | 作成日時：2018年6月1日 20時
