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「以上で試験は終わりだ。
それでは…番号を呼ばれた受験生は前に出てきてくれ。
その受験生の入団を望む騎士団長は挙手をお願いする。挙手した団に入団するか否か…
そして挙手した団が複数の場合にどこの団を選ぶかは受験生の自由だ。
ただ先に言った通り挙手した団が無い場合魔法騎士団へは入れない。
では番号、001の受験生前へ___」
次々と結果が発表されていく。
「32番。紫苑の鯱」
「78番。紅蓮の獅子王」
「116番。挙手なし」
「141番。挙手なし」
「次、164番」
ユノは堂々と前に出ていった。
そして次々と挙げられる手。
全員挙手だった。
「すげえ!」
「マジかよ!」
「金色の夜明け団でお願いします」
(…まぁ、そうだろうね。でも本当にそこはいい団かな?)
Aは心の中でそう思いながら、次の人物をじっと見つめた。
「165番」
「お願いしまーーす!!」
シーン、と静まり返っている会場。
しかしAは黒い笑みを浮かばせながらその姿を見つめた。
「そりゃそーだわな」
1人の団長が立ち上がった
「たとえ高い戦闘能力持ってよーが、それが得体の知れねぇ力じゃ誰も手ぇ出さねーわ。
…なんやかんやで…結局魔法騎士に求められるのは
魔力だ」
そう言って下へ降りてきたヤミ団長。
とんでもない重圧を出すが、これくらい普通出せるのでは?
とAは汗ひとつかかずに目の前を見つめた。
「魔力の無いお前なんざ誰も欲しがらねー。これが現実だ」
ヤミ団長は凄い魔力を放ちながら、アスタに黒い目線を送る。
「お前さっき、魔法帝目指してるとか言ってたな?」
…つまり…九騎士団長俺達を越えるって事だよな?
今、俺の目の前でもまだ魔力の無い分際で魔法帝になるとほざけるか…?」
アスタはそれでも踏ん張り、答えた。
「っ…ここで魔法騎士団に入れなくても…何度コケても誰に何を言われようと!!
俺はいつか魔法帝になってみせます!!」
(いい目だ。私もこういう部下を持ちたかったなぁ。敦くんが一番近いか?)
アスタとヤミ団長、2人お互い目を逸らす事無く見つめ合う。
そして、
「わははははは!!!!」
ヤミ団長の笑い声が響き渡り、凄い魔力も消えた。
呆気に取られるアスタ。
「お前面白い!!『黒の暴牛』ウチの団に来い」
「…え?」
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作者名:アララモード | 作成日時:2021年4月30日 23時