❤️🩹傷ついた彼と私。 ページ5
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現在朝の9時半。やるべき事は終わってしまった。
その為、興醒めしない様な謎を探しに島へと降りようと
クルー代わりにとベガパンクから貰った機会に、近くの島につくよう操作する。
ギギギっと船の方向が動き、Aは２階へとのぼる。
「(…世界政府も近頃面白い動きをしているようだしね)」
新聞の一面には、＜ またもや数十隻の軍艦が動く!!島も何もない場所に!! ＞
と言う小さな文字。Aが貰っているのは世界経済新聞ではなく
ひっそりと反政府派閥のジャーナリストが営業している事務所が発行する新聞である。
光が当たらない情報、すなわち政府が揉み消す情報が乗っていたりもするのである。
「(……軍艦が動いた所は確か………！あのオハラがあった場所か。
あぁ、なるほどね。消してしまった訳だね)」
Aは、先程のクルー替わりの機会を操縦した。
行き先を変更する為だ。
「……気を持てているかな、あいつ」
Aは、頭の中で今酷く心配する男の顔を思い浮かべる。
彼は誰よりも優しいから。きっと逃がしてでもしまっているんだろう。
だから、こんな手配書がでるんだろう。
大事な人でも亡くしてしまったのかもしれない。合理的じゃない彼の元に。
早く行ってあげたい＿＿＿。
.* ⚘ .* ⚘ .* ⚘
＿＿とある島。
「…！！なぁあれって…海賊探偵の…！！」
「うっそだろ！！始めて見るぜ俺！！」
「綺麗だなぁ…すんげぇいい匂いするし…」
「やめとけよ、一昨日ストーカー被害にあって数人消えたって噂だぜ」
「女でもお付き合いしたいわ…」
「しかし…なんでこんな島にきたのかしら…？」
Aはそんな声も慣れているのか、今は耳に入らないのか
急いで街を駆け抜けていく。
居場所がわかるのか、森の上を飛び、広場を走り彼の元へ急いだ。
そしてようやく広い原っぱにたどり着き
Aは足を止めた。そして彼の服を踏まないようにしながら
座り込み、顔を覗き込んだ。
「…………寝ているつもりかい？
クザン」
柔らかい風が、潮と共に金木犀を運ぶ。
Aの白い手がクザンの手に触れる。
いつもなら、触れるのはあちら側なのに、びくりとも動かない。
これは相当きてるなとAは心の中で苦笑いした。
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作者名：みるく | 作成日時：2022年11月14日 18時
