💢怒号とまたね ページ11
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ボコボコとした泡が弾けるような音が断続的に聞こえる。
赤い太陽すら焼き尽くしてしまいそうで、思わず身を引き締めてしまう。
クザンはぽたりと冷や汗を落とし、その男を下からめめつける。
「………帰るぞ。書類がたまっちょる」
たっぷりと間を取ったにしては、軽やかな声だった。
思わずクザンもあっけらかんとする。
何時もならば、ずるずると引きずってでも連れて帰ると言うのに。
そう言いたげな顔だった。
するとサカズキは、ぐつぐつ煮えたぎる
目線をAにぎろりと向ける
そして何かを言おうと口を開いたその時
「…………なんだよ」
「……！クザン…」
クザンが庇う様に、Aの前に出る。
Aはそれに少し驚いた様子と、照れたような顔でクザンを見た。
海賊探偵として過ごす日々で、庇われる事なんて指で数える程しかないからだ。
「…なんでもなぁわ。はよぅ立て。センゴク大将がやかましいんじゃ」
「……ちっ……わあったよ」
クザンは、後ろ髪を引かれる思いでAから離れた。
そして、いつも通り優しく微笑んだAをよく見て
なんとか微笑み返し、切なさそうに眉をへの字に曲げた。
「じゃあ、な。A……また…」
「クザン。今日は無理に会いに行って悪かったね。
…お互い仕事が立て込んでいるようだし、落ち着いたら連絡を取り合おう」
「…そうだな。……」
Aは桜が彩られたような微笑みで、クザンを見た。
クザンはその微笑みに
「また絶対会おう」と言う意思を感じ取って
少し下を向いて、すぐAの顔を見て今度はちゃんと笑った。
「…っ……行くぞ」
「痛ってぇ…クソ…引っ張んな。歩いてんだろうが」
「お前がはよぅ歩かんから、引っ張ってやっとるだけじゃ」
「あ゛ぁ？何でもかんでも自分中心に動いてると思うなよ！」
「思っとらん！！大将から連れてくるよう言われたんじゃ！！」
「だから今向かってるだろ！！」
男達の怒号が森の中に響く。
普通ならば耳が痛くなる程の大声の出し合い。
しかしAはあの2人の言い合いはかなり慣れている。
変わらないなあと微笑み
そして言い合いを微かに聞きながら、Aはその場を去った。
もちろん
＿＿＿きちんとフレンチトーストのラップをゴミ箱に捨ててから。
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続く (更新停止中)
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作者名：みるく | 作成日時：2022年11月14日 18時
