苦い現実 ページ5
押した机を反動に思いきり前に突き出る。
精一杯両手を伸ばしてだるまのボタンに触れた。
ガダンッ！！ガタガタァァッッ！！
その拍子にだるまと一緒に教卓からハデに落ちた。
カチッ…カ…チ…
「ピロリロリン！ピロリロリン！おわり！おわり！」
倒れていただるまが突然起き上がり、大きな声で言った。
背中のタイマーは残り1秒になっていた。
『はぁっ…はぁっ…おわっ…た…？』
あかり「終わったんだ…！よかった…生きてる…生きてるよぉ…うあぁ…」
私達はお互いに肩を抱き合って泣いた。
終わったんだ…
これでもう…
こんな思いをしないで…((カツーンっ……))
ふと、足元から5粒ほどのビーズが落ちてきた。
ドクンっ…
『…ねぇ、あかり………返事してよ…』
いくら待っても返事はかえってこない。
ゆっくり隣に目をやった。
『…あ……あか……り…』
あかりの顔は、なかった。
『っあ…はあぁっ…なん…で…！！』
状況が読めないわたしに、だるまが言った。
「雨霧A！生きる！」
『………は？』
「雨霧A！生きる！生きる！」
悲しいはずなのに、涙がでてこない。
仲間が死んだのに、何も考えられない。
『あ…うわあぁぁぁァぁぁぁぁァァ……！！』
ただただ一番最後に喋った、一番最後の親友の腕をずっと握りしめていた。
あぁ……神さま。
.
.
.
今起きているこの出来事を、
.
.
.
.
夢だと言ってください…
.
.
.
「くるでぇ〜猫がくるでぇ〜！」
『……え…？』
「お前らはねずみや！はよ行かへんと猫がくるでぇ〜！くるでぇ〜！」
なに言ってんのこいつ…
でも、まだ終わらないことは確かなんだね。
こんな、残酷な「お遊戯」が。
『…とりあえず…ここから出なきゃ』
ゆっくりと立ち上がり、真っ赤に染まるドアの出口へと歩きだす。
廊下に出ると、悲鳴があちこちから聞こえてくる。
『…またね。みんな…』
そう静かに囁いて、わたしは教室を出た。
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百鬼夜行破壊 - マジで最高！書いてくださりありがとうございます！ (2020年6月6日 5時) (
レス) id: 05b29fdc85 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すっごく面白かったです!!続編っていうか、、神さまの言うとおり弐も見たいです…!! (2019年3月30日 22時) (レス) id: 8acbcb59d3 (このIDを非表示/違反報告)
三葉 - ラミさん» ありがとうございます！自分でもまた書きたいのですが…泣(本編がでないから短編とかやってみたいなぁなんても思ったりして…f^_^;)) (2015年7月24日 22時) (レス) id: 7d9f1dee17 (このIDを非表示/違反報告)
ラミ - 天谷くんかっこいい!!!すごくおもしろかったです！次回作楽しみにしています。 (2015年7月22日 23時) (レス) id: 2884d33193 (このIDを非表示/違反報告)
姫香(プロフ) - あら〜＾ (2015年7月2日 19時) (携帯から) (レス) id: e11717b2be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三葉 | 作成日時：2014年12月19日 22時
