天谷の言葉 ページ21
…あれからどれくらい走ったのだろうか。
辺りは人一人いない。
何もない一本道に来た時、ようやく天谷の走るスピードは遅くなった。
『…っはぁ…ねぇ…天谷君…なんで、いきなり走ったりするの…？』
天谷「………」
天谷は答えず、ずっと前を見ている。
『いちかとはぐれたんだよ…！？いちかがもしこのまま一人で…さっきみたいな危険な目にあったら…！！』
天谷「自分のせいだって？…いい子ちゃんは大変だねぇ〜」
『……は…？』
天谷は前を見つめたまま、話を続けていく。
天谷「わたしには、仲良しな人も信頼してくれる人もいて…それはもう、笑顔の絶えない楽しい毎日を過ごしています……」
『…な…なにいきなり…』
突然、明るい声でそう言った。
ふと、天谷の足が止まる。
そしてゆっくりと振り返って、目と目が合う。
天谷「…でも、それはほとんどが「真っ赤な嘘」でした…」
『…っ！？』
振り返った天谷の顔も、声も、まるで別人だった。
天谷「人に信頼されるっていうのはさ…、その分「期待」と「責任」をなすりつけられてるようなもので…だからいざという時、「信頼」が刃になって自分で自分を傷つける」
『………』
ドクンっ……ドクンっ…
やだ…
天谷「笑っている時でも、本当は心から笑ってはいない。そんな自分にすら減滅している」
天谷の言葉に、心臓の鼓動が速くなっていく。
やだ……やめて……
天谷「そんなのは…ただの((やめてっっ！！))
その瞬間、わたしは天谷の手を振り払っていた。
そして来た道を走っていった。
天谷に、今のわたしの顔を見られないように…
なんで……なんでよ……
なんであいつは…全部知ってるの…？
なんであいつに…そこまで言われなきゃいけないの……？
次第に、天谷の姿は見えなくなっていった。
.
.
.
.
.
天谷「……もう、自分を傷つけるのはやめろよ…A」
天谷のこの呟きも、耳に届くことはなかった。
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百鬼夜行破壊 - マジで最高！書いてくださりありがとうございます！ (2020年6月6日 5時) (
レス) id: 05b29fdc85 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すっごく面白かったです!!続編っていうか、、神さまの言うとおり弐も見たいです…!! (2019年3月30日 22時) (レス) id: 8acbcb59d3 (このIDを非表示/違反報告)
三葉 - ラミさん» ありがとうございます！自分でもまた書きたいのですが…泣(本編がでないから短編とかやってみたいなぁなんても思ったりして…f^_^;)) (2015年7月24日 22時) (レス) id: 7d9f1dee17 (このIDを非表示/違反報告)
ラミ - 天谷くんかっこいい!!!すごくおもしろかったです！次回作楽しみにしています。 (2015年7月22日 23時) (レス) id: 2884d33193 (このIDを非表示/違反報告)
姫香(プロフ) - あら〜＾ (2015年7月2日 19時) (携帯から) (レス) id: e11717b2be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三葉 | 作成日時：2014年12月19日 22時
