嫉妬 ページ35
忽然と現れた天谷に、急いで立ち上がる。
とその前に顔!顔隠さなきゃ駄目だ!
確か顔を見られちゃいけないルール。
急いでそこらへんにある物で顔を隠した。
ところが、それを取ろうとする手や声がちっとも聞こえない。
『…つ…捕まえないの?』
天谷「あ〜、うん♪」
暗闇のなかで天谷が笑っている姿が想像できる。
天谷「…でも、あの二人より先に見つけといてよかったかな〜」
『…?…なんで…((ガっ))…っ!』
突然顔を隠していたやつがグラっと揺れた。
隙間から天谷の横顔が見える。
天谷「蹴ろうとしてただろ、あのカン。どこまで自分を犠牲にすれば気がすむわけ?」
ドクンっ…
『…天谷君には関係ないと思う』
天谷「へぇ…言うじゃん」
『…!?っきゃ!』
その瞬間持っていたやつを剥ぎ取られた。
カラーンと鉄が床に落ちる音が響く。
目の前にはニコっと笑う天谷がいる。
天谷「…じゃあ先に捕まえるね♪」
『……っ』
結局助けることもできずに捕まるなんて…
情けないけど、仕方ないか。
そもそもわたしが天谷に勝てるはずがない。
でも…でも、きっと…
『…高畑君が…助けてくれる』
天谷「…ピクっ」
ガタンッ!!
突然、肩に強い痛みが走り、床に押し倒された。
その衝撃で頭が床にぶつかる。
『…っい…』
薄っすらと目を開けると、いつもより鋭い目をした天谷が、わたしをじっと見ていた。
天谷「…高畑君、高畑君…ってさ…」
ギリギリと肩を掴む力が強くなる。
声のトーンもかなり低い。
天谷「そんなに…あいつのことがいいのかよ…?」
『…!?…ん…!』
その瞬間、荒々しく唇を重ねられる。
『…ん!///…やめ!…』
離れようと顔を横にしても無理矢理戻される。
吸い付くように重ね、閉じていた口を舌で開けられる。
どんなに胸を叩いても離してくれず、逆に余計激しくなっていった。
『…い…ゃぁっ…!』ガリッ!
その一言でぴたっと天谷の動きが止まる。
近かった天谷の顔がゆっくりと遠退いた。
『…!』
天谷の唇から、つぅっと赤い液が流れていた。
天谷は血を舐めるとゆっくりと目を合わせる。
天谷「…じゃあさ、俺と賭けてみない?」
そう言って笑った天谷の顔は、なぜだか恐怖を感じるものがあった。
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百鬼夜行破壊 - マジで最高!書いてくださりありがとうございます! (2020年6月6日 5時) (レス) id: 05b29fdc85 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すっごく面白かったです!!続編っていうか、、神さまの言うとおり弐も見たいです…!! (2019年3月30日 22時) (レス) id: 8acbcb59d3 (このIDを非表示/違反報告)
三葉 - ラミさん» ありがとうございます!自分でもまた書きたいのですが…泣(本編がでないから短編とかやってみたいなぁなんても思ったりして…f^_^;)) (2015年7月24日 22時) (レス) id: 7d9f1dee17 (このIDを非表示/違反報告)
ラミ - 天谷くんかっこいい!!!すごくおもしろかったです!次回作楽しみにしています。 (2015年7月22日 23時) (レス) id: 2884d33193 (このIDを非表示/違反報告)
姫香(プロフ) - あら〜^ (2015年7月2日 19時) (携帯から) (レス) id: e11717b2be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三葉 | 作成日時:2014年12月19日 22時