変わらない…? ページ16
あっけにとられて硬直するわたしを見て天谷はフッと笑った。
そして今度は高畑君の方に目をやる。
天谷「ねぇ高畑瞬君、君は何のために生きている?何をしているときが一番幸せだと実感でしる?俺はこんな世界になるのをずっと夢見てきた」
天谷は上を見上げて、これまでにない笑顔で言った。
天谷「君もそうだろ?…なぜなら、お前も俺と同じこの世界を望んでたんだからな」
高畑「俺は…こんな世界を望んでなんかない!」
天谷「…それはどうかな。…ねぇ?Aちゃん?」
天谷はそう言ってわたしを見る。
なんで…わたしに振るの…?
天谷「お前らは俺と同じ。こんなつまんねぇ毎日に飽きあきしてたんだ」
ドクンっ
天谷の言葉に心臓が痛んだ。
違う…
いちか「ふざけたこと言わないで!瞬やAみたいな誰にでも優しい奴が、あんたなんかと一緒なわけない!!」
天谷「…あ、そ」
『……!!』
いちかをじっと見ると、手に持っていた刀で斬りかかろうと前に出た。
高畑「おいやめろ!!」
高畑君はその二人の間に入ってそれを止める。
天谷「……ふん、まぁいいや」
天谷は刀を下ろすとじっとわたしを見た。
目が合うのが怖くて反射的に目をそらす。
天谷((ニヤリ))
『((グイっ))……っ!?』
その瞬間、腕が天谷のほうに引っ張られる。
突然のことで体勢が崩れて天谷にもたれかかる。
気が付くと、唇に何かが触れた。
『……っ!!///((ドンっ!))
掴まれていた手を振り払って胸を押した。
触れただけなのに、顔が一気に熱くなる。
天谷「…ちぇ、残念♪」
そう言って親指を唇につけて舐める。
わたしはニヤついている天谷に対してキッと睨んだ。
『…わたしは…!!…あんたとは違う…!!』
感情に身を任せて叫んでしまった。
自分の声が、体育館に響く。
そっと天谷の方を見上げた。
天谷「…変わってないね、Aちゃん」
『……!?』
その時、ねこから白い煙が出てきて、たちまち私達を包んだ。
『……うっ…』
グラリとめまいがきてその場に倒れこむ。
気を失う前に、ふとあの時の天谷の顔がよぎった。
目の奥が、どこか悲しそうな…
そして重くなった瞼を、そっと閉じた。
作者から…( ´ ▽ ` )ノ→←もう誰も死なせない…はずだったのに
170人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
百鬼夜行破壊 - マジで最高!書いてくださりありがとうございます! (2020年6月6日 5時) (レス) id: 05b29fdc85 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すっごく面白かったです!!続編っていうか、、神さまの言うとおり弐も見たいです…!! (2019年3月30日 22時) (レス) id: 8acbcb59d3 (このIDを非表示/違反報告)
三葉 - ラミさん» ありがとうございます!自分でもまた書きたいのですが…泣(本編がでないから短編とかやってみたいなぁなんても思ったりして…f^_^;)) (2015年7月24日 22時) (レス) id: 7d9f1dee17 (このIDを非表示/違反報告)
ラミ - 天谷くんかっこいい!!!すごくおもしろかったです!次回作楽しみにしています。 (2015年7月22日 23時) (レス) id: 2884d33193 (このIDを非表示/違反報告)
姫香(プロフ) - あら〜^ (2015年7月2日 19時) (携帯から) (レス) id: e11717b2be (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:三葉 | 作成日時:2014年12月19日 22時