歳下なんてタイプじゃない。 (ページ35)

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Type 35 ページ35

Aside

涼とたまたま帰るのが同じ日があった。

ハッキリさせたくて涼に声を掛ける。

少しは話せるようになって周りからは仲直りしてよかったって言われてるけど、少しだけ流れる気まづさ。

『涼』

「ん？あ、A。どしたん？」

『一緒に帰れないかな？』

「いいよ」

『話が、あります』

言いにくそうに切り出すと涼は遂に来たかという顔をして

「うん、分かった」

そう返事をした。

「今日の練習どうだったの？」

『最近不調すぎてホントに泣ける』

「エースなのにどうしたんだよ、しっかりしろよー！」

『わかってるって！これでも焦ってるんだから』

「練習試合あるのか」

『察してくれたね』

切り出そう、切り出そう。
そう思ってはいるし、切り出そうとしてるんだけど中々切り出せない。

言えないんだよ、言ったら涼とはもうこう出来ないんじゃないかって。

『ねえ、涼。話、していいかな？』

家の前に着いた時、涼に声を掛ける。
それは那須くんに選んでくださいと言われた場所と同じ場所。

「いいよ。何？A」

『告白の、返事なんだけどさ、私..........「那須くんの事が好きなんだろ？」

涼からの言葉にビックリして

『何で..........』

「見てれば分かるよ。アイツかっこいいし、頭もいいし、運動神経もいいし。優しいし。Aが好きそうな男だなって思ってた。でも、まさかここまでくるなんてな？俺が悪いんだけど。俺の方がずっとずっと前から好きだったのにな」

そう言って無理して笑う涼。

こんな顔、させたかったんじゃないの。

『ごめん』

「謝るなよ。俺ら、初めてあんなに口聞かなかったよな」

『そう、だね』

私達は喧嘩もよくするけど、口を聞かない日なんて１日あれは凄いねっていうもんだ。

だから、一週間近く口を聞かなかったのは本当に始めてで。

「キツかった。ホントにキツかった。だって言ったこと訂正しても変わらないし。それはまた辛いし。俺、Aと話せないの嫌だ。だからこれからも普通の幼馴染橋本涼としてよろしくな？」

『うん』

「A、那須くんと幸せになれよ？」

『っるさい』

「あーもうツンツンして～いらんとこでツンツンするなよ」

『はいはい』

ありがとう、涼。
こんな私をずっと好きでいてくれて。
私は幸せだよ。