歳下なんてタイプじゃない。 (ページ26)

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今日、彼女の家に行ったのはホントは瑞稀に久しぶりに行こうぜと誘われてたんだけど、事情話したら分かってくれて。
じゃあ祭りまで遊ぼうって言ったけど、瑞稀が俺は涼と祭りに行きたいから来週のやつ行こうぜと言って、俺になんなら朝から押しかけたら？って提案してきた。

ウザがられるって分かってるけど、そんなの関係ない。

今の俺には余裕が無い。

一緒に居ればいるほど付き合えるって訳でもない。
可能性が上がるってわけでもない。

そんなの昔から一緒にいるから分かってる。
知っているから、一緒に居ればいるほど好きになってもらえる訳じゃないんだってこと。

だけど、やっぱり一緒にいたくて。

何か伝わるんじゃないかって。

『Aさ、正直那須の事どう思ってるの？』

「え？そんな真剣な顔してどうしたの？」

『や、なんかさ、気になって』

「普通だけど？」

“普通”なんかめちゃくちゃ嬉しいんだけど。
てっきり好きなのかなって少し疑ってしまったから。

『ビックリした。この前那須と歩いてたんだもん。祭りで浴衣着て男と歩いたことあるの俺と瑞稀と元彼位だったから』

「美香について来いって言われたの。美香、浮所くんと付き合ってるでしょ？先に那須くんと祭り行く約束浮所くんがしてて。美香がどうしても一緒に生きたいから私を連れてきたってわけ」

おい、佐竹何してくれてんだよ！！！
飛貴が仕組んだ作戦かもしれないけど無理やり行くのやめろよ！！
マジで二次災害だわ。

『あーそういう事。なあ、A。アイツと付き合う気じゃないだろうな？』

『ないないない！有り得ないって！歳下だし』

よかった。
簡単には歳下無理っていうのは変わらないんだよ。

『歳下なんてタイプじゃないもんな！付き合うなよアイツと』

すると、少し悲しそうに少し怒り気味で

「何で涼がそんな事言うの？」

イライラする。
有り得ないって言ったじゃん。
何でそんな態度するんだよ。

ああもう

『こーいうこと』

限界。

やっぱり那須くんの事有り得ないなんて嘘じゃん。
余裕なんてないじゃん。

「ちょ！何してんの！」