歳下なんてタイプじゃない。 (ページ25)

今日:3 hit、昨日:16 hit、合計:66,313 hit

Type 25 ページ25

涼side

「ねえ、涼。A取られちゃうかもよ？」

最初に俺にそう言ったのは親友の直樹だった。

『え？んなわけねーだろ！何処のクラスの誰？』

「１年生」

『1年！？ん、歳下はタイプじゃないから放っておけば』

「手に負える相手だったら俺だって優しく忠告しないんだけど？」

手に、負えない相手？

後輩で？

『誰だよ』

「1年の那須雄登。野球部にいるだろ。次の代でエースになるかもしれない超イケメンなやつ」

『ああ、アイツか』

那須雄登。
飛貴の幼なじみで成績も良くて。
そういえばOC来てAと話してたよな？

「中学の時に一目惚れしたって言ってて、まあどうにかなるだろって忠告しなかったんだけど、同じブロックになったから忠告しとく」

この忠告を真面目に聞いていなかった事をまさかここで後悔する時が来るとは。

祭りで見た時に今まで見た事もないような綺麗な彼女にビックリした。

そういえば2年間浴衣を着た彼女を見たことがなかったし、その間に凄く綺麗になったと思う。

そんな彼女の横を歩いていたのは直樹の忠告の相手那須雄登。
どんな手使ったんだよホント。

だから見せつけてやったの。
頭撫でたりとか俺ら凄い仲いいんですよーって。

「想像以上に余裕なさそうだね、涼」

直樹にもその事がバレてしまう始末。

『うるせー』

「俺の忠告ちゃんと聞いとかないからだよ」

『や！だってあそこまでなると思わなかったもん！』

「とりあえず飛貴と佐竹のカップル恨んだら？」

『そうだな！さっき俺カッコ悪かったホントにだせえ』

余裕なすぎて

Aが歳下眼中ないって分かってるけど、那須くんはそれを覆す事が出来るんじゃないかって。

ほら、あれ凄い楽しそう。
しかも、照れてるし。

俺になんて照れた事もないのに。