歳下なんてタイプじゃない。 (ページ16)

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Type 16 ページ16

去年のオープンスクール。
確か..............

「や、おっ覚えてないですよね！中学生の学ラン着て甲子園行きたいって言ってたやつの話なんて」

『.....ごめん。さっき、思い出した』

確か私がまだHR委員とか生徒会的な事してた頃。

OSの時に涼と2人で英語②の担当になった。
その時に初めて知らない受験生と初めて話した。

私達がこっちに来てくださいと呼んだ時に一番前にやってきた人。

それが浮所くんと那須くんだったんだよね。
桜坂中で直樹と仲いいの。

だから私、素早く直樹に聞いていたのか。
美香でもなく、誰でもなく。
聞き覚えが何処かであったのはそのせいか。

「大丈夫です。俺、覚えられてないって覚悟はしてましたから。全然平気です」

悲しそうな顔を浮かべながらも気にさせないように笑顔を振りまく那須くん。
ごめんね、こんな顔させたい訳じゃないんだ。

『でも、那須くんってホントに野球上手いんだね！ビックリした！』

「全校応援の時に俺に手振ってくれましたもんね」

『ごめんね？迷惑だった？』

「や！全然！俺、凄く頑張れました！佐藤先輩が手振ってくれるなんて思ってなかったから」

『もう球も早かったから次期エースも確定だよ』

「気が早いですよ！上に先輩いるんですから！」

『あ、そっか』

「でも、俺がエースになれたら先輩と釣り合うんだろうな。バスケ部のエースと野球部のエースで」

『そんな事ないよ。そんな事になっちゃったら私が釣り合わなくなる』

「そんな事ないですよ！」

君はそう言うけど

『那須くんは私なんかと違ってかっこよくて頭いいし、今この立場で私が釣り合ってるくらいだから遠くにいっちゃいそう』

思ってるよりずっとずっと高嶺の花なんだよ？
那須くんは。

「ねえ、先輩。俺の事かっこいいって思ってるんですか？」

この子、狡いよね。
こっちが照れるのなんて予測範囲だろうな。

『思ってるよ』

「俺も先輩の事可愛いって思ってます。あ、えっとなんか先輩食べたいものありますか？」

顔を赤くして照れ隠しをする那須くん。
可愛いな。

狡いよなぁ～
人が嬉しくなるような行為ばっかりして。