花を散らして。《Yuto.N》 (ページ2)

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飛貴「Aちゃんおはよ！」

「ん、！おはよう」

浮所くんが登校するだけでクラスの雰囲気が一変する。

それはもちろん悪い意味ではなく、良い意味でだ。

教室に入るなり男子たちに囲まれて、女子からの視線を独り占めして。

私ももちろん例外ではなく、浮所くんに心惹かれているのだった。

浮所くんからの挨拶でやっと一日が始まると言っても過言ではない。

それほど私の中で浮所くんは大きな存在だった。

『浮所～、昨日のテレビ見た？』

飛貴「見た見た！マジで紫耀くんカッコいいよな…」

浮所くんの声はクラスのどこにいても届く。

それは多分みんな同じで、いつの間にか男子の輪に女子も混ざる。

『飛貴も十分カッコいいじゃん』

飛貴「うわぁまたそういうこと言う～」

『事実じゃん！ね、みんな』

『そうだぞ嫌味かよ！』

飛貴「女の子は好きじゃない男にそういうこと言っちゃダメ！」

いや、みんな浮所くんのこと好きだから言ってると思うんだけど。

そんな不満は置いておいて、その輪に入りきれなかった私は静かに教室を出る。

(ドンッ)

「すみません！」

？「あ、こちらこそすみません…」

『ほらA、授業始まるぞ』

出たばかりなのに先生に促されまた教室に入る。

それにしてもあの男の子、誰なんだろう。

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