愛を知らず、溺れる II (ページ9)

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心配事ページ9

____ ホソク

Aが居なくなってから遊郭に来るお客様は
どちらかと言えば少なくて

そんな所を見ると彼女の人気は素晴らしかったのだと
改めて気づかされる

グク『ホビヒョンお客様全然こないですね』

遊女達を纏めあげるジョングガでさえもこんな事を
いう始末。でも、彼女はまたここに戻ることは
できるのだろうか…

なんて考え事をしてたら彼女が遠くなりそうで
やっぱり会いに行こうと決めた

『よー！元気か？？最近来れてなかったから』

そう言って大好きなケーキを渡すと嬉しそうな顔
ああ、こんな顔が好きだったななんて思う。

そんな時、少し深刻そうな顔で俺を呼んだテヒョナ
肩を抱かれて彼女の病室から抜ける

『ん？どうした？テヒョナ』

テヒ『ホビヒョン、、、Aは助かるのかな』

何故急にこんなことを言い出したのか分からなかった
俺は、テヒョナを怒鳴ってやろうかなんて思うけど

これだけ毎日通ってるテヒョナがそういうんだから
何かがあったのかもしれないと1度冷静になり問いかける

テヒ『俺、たまに夜来るんです。ここに。』

目に涙を浮かべながらうつむき加減で話すテヒョナ
その続きの言葉をゆっくりと待ってやると出てきた
言葉に俺は、なにも言えなかった。

テヒ『最近夜泣いたり、叫んだり…酷いみたいで

彼女自身には記憶が無くて元気だって普通だって
思い込んでる。だけど実際調べたら……』

そこまで言って、肩を震わせながらゆっくりと
言葉を紡ぎ出す

テヒ『どんどん腫瘍が大きくなってて……ッ

このままじゃ、なにもかも忘れちゃう……って、、
AがAじゃなくなるって…ッ。』

目を真っ赤にさせたテヒョナにかける言葉が
見当たらなくて、ただ震える肩を優しく
擦ることしかしてやれずにいた

病室に戻ると、もう一人新しく担当が付いた
みたいでその様子だと彼女はこの病院内では、
少し厄介な扱いをされてるのか…なんて考えが巡る

テヒ『なーに見惚れてんのA。』

『ヤー。こんなイケメンが居るのにいい度胸だ！！』

笑いに包まれたこの空間がずっと続くと思ってた

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