愛を知らず、溺れる (ページ27)

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"逃がさない" ページ27

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取り戻す意識と共に、布団の周りにあるレースカーテン

の奥で誰かが話す声が聞こえる。

『ジョングギ。そんなことしたら許さない』

『ホソギヒョン現実を見てくださいよ。』

『だけど、ここから出るなんて危険なこと…』

『じゃあ、このまま黙って見てろって事すか？

こんなままじゃ、あいつは心も体もボロボロになる

そうなった時、ミンユンギを責めたってどうにもならねぇんだよ』

｢……ッ、、ユンギ…さんッ｣

その声が聞こえたのか、ゆっくりレースカーテンを

開けたのは、ホソクだった。心配そうな顔をしてゆっくり

立たせると、ジョングクさん元へ連れていってくれた

『起きたんだ。……どう？落ち着いた？』

｢…はいッ。ありがとうございますッ｣

『グギ。二人にしてくれないか？』

そう言ったホソクの言葉を黙って受け止めて月の間を後にした

『A…？そうだ、これ食べる？』

目の前運ばれたのはいつも体調が優れない時に

ホソクが作ってくれるお粥だった。

｢ん………おいしい。｣

満足そうな顔をしているホソクを見ていると

無意識のうちに目から零れ落ちそうになる涙

『A？よく聞いて。……わかった？』

言葉にならないかわりに、お粥を飲み込んだあと

縦に頷くと、男らしい手が私の頬を包む

『逃げろ。ここから、逃げるんだ。』

｢ホソク………？何言ってるの？｣

『ここにはもう居られない。だから早く……ッ』

その先の言葉は、月の間の扉を開けたジンさんと

ナムジュンさんの声で、儚く掻き消された

『言ったよね？……逃がさないって。』

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