愛を知らず、溺れる (ページ17)

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"お前が欲しい" ページ17

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｢……っ。私の好みですよ？ユンギさん｣

『…そうだったな。じゃあ、またな』

ユンギさんは、ジミンさんの開けた車の後部座席に乗り

車が見えなくなるまでお見送りを終えて遊郭へ入る

月の間に上がろうとすると、後ろから声が聞こえて

振り向くと、ホソクが居た

『おかえり。A。持つよ』

｢ありがとうホソク。｣

『今年のAも楽しみだなぁ』

｢楽しみにしててよね。｣

『当たり前だよ。ここで働いてて一番の楽しみだから』

階段を上がり、月の間に着くと箱を静かにテーブルに置いて

そのまま座り込んだホソク

｢何か、飲む？｣

『んーん。いらない。おいで』

座ったまま手を広げたホソクのそばにいくと

足の間に座らされ向き合う様にして抱きしめ合う

『んー。Aの匂い。……落ち着く』

｢ふふ。どうしたの？今日は甘えたさん？｣

『違ぇよ。充電。』

｢素直じゃないんだねほんとに。｣

『うるせーこのやろう(笑)』

ホソクは私の横腹で手を動かして小さい頃のように

じゃれあう

『今日は、仕事の予定聞いた？』

｢ううん。聞いてない。ジンさん来ないもん｣

『じゃ、俺から教えてあげる。』

｢え？なんでホソクが知ってるの？｣

そう尋ねても、ニコニコと表情を変えないホソク

｢えー？なにもうほんと(笑)ホソクってば｣

『そんなに教えて欲しい？』

｢…そりゃ、仕事だもん。｣

『喜ぶかな〜どうかな〜？？』

｢誰だろ？ジミンさん？テヒョンさん？｣

『ブッブー。ちがーーう。』

その後も次々と名前を言うけれど一向に言おうとしない

ホソクに痺れを切らして頬を両手で挟んでやる

｢…ホソク？早く言ってよ｣

真面目に聞いた私に答えるかのようにその両手を包み

唇に１回キスをする

『……俺だよ。今日は俺が相手。』

ビックリして何も言えない私にまた一つキスをしたホソクは

『そんな物欲しそうな顔して…

……欲しいなら欲しいって言えよ。

ほら、御客はお前を欲しがってるけど？』

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