防 弾 警 察 _____ II

085 JM ページ35

_____ ジミン









目の前で嘲笑うかのように口を開き、汚いヨダレ
を垂らすソイツの前に立ちゆっくりと銃口を突きつける
それでもビクともせず座っている目を見ればやはり
ヤク中なんだ。と感じる









その引き金を引き、人差し指を折り曲げようと
した瞬間に見えたのは、小さな子供









《おっと、小僧はまだ生きてたのか〜。笑》









【パパを……パパを返せっ！！！！】









その悲痛な叫び声に、頭を過ぎるのは被害者であった
父親……父子家庭の主であるソルビの息子だと察した









その姿を見るとふと、思い出すあの日の光景









『父さん……父さんッ、、しっかりしてよ………

一緒に……遊園地行くって……言ったじゃんかよ…ッ、、、』









緊急で運ばれた先で白い布を顔に掛けられていた
もう蘇ることはない父さんに声をかける俺。









『父さんを……返せよッ、、父さんを殺したやつ

早く捕まえろよ……ッ！！……役たたず！！』









俺を後ろから見守る警官の胸ぐらを掴んで、
やり場のない想いをそのままぶつける俺。









最後の日、父さんは何を見てた……？
俺を学校へ送り出した父さんは、今も変わらず
ここに、俺と一緒にいると思ってた。









いつになっても逮捕されない犯人を俺がこの手で
始末するために、耳の下に蜘蛛のタトゥーを入れた
男を探すために









ハッと意識が現実に引き戻され、いつの間にか
ソルビの息子はAに抱きかかえられて
俺の横に目を腫らして座っていた









『グガ、ヒョン、もう反対側には応援が来てます

ちょっと痛くしてやってください』









ユン『……今回だけ俺が始末書書いてやるよ』









かっこよく言い放ったユンギヒョンの銃弾は
ソイツの足に綺麗に貫通し、そのまま取り押さえられた









『……泣くな。強くなれ』









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