第14演目 ページ15
そして、サーカスがある日曜日。
ハヤトさんの先導でチラシにあった地図を頼りに進んでいくと、
サーカス団の名前が書いてある門形の看板に着いた。
そのすぐ後ろには、カラフルな配色の大きなテントが設置されている。
移動式では無い代わりに、団員全員が同じ事務所内で生活している様だ。
テントの後方にそれらしい建物が見える。
テント側から一人の男性が歩いてきた。
赤と黒を基調とした豪奢に見える服装を
した彼は、装飾無しでもガタイが良く見える。
病的に見える肌の色をしているが、彼は至ってかくしゃくとしていた。
そして顔の半分程に白い髭を蓄えている。
全体的に威厳がある風貌だ。
「やあ加賀美クン！全員揃って来てくれたんだね！
この前は夜見クンがお世話になったねえ。」
嗄れているがはっきりした話し方だ。
年齢が分かりにくい人だな。
「お久しぶりです、ギルザレンさん。
皆さん、彼はギルザレン三世さんです。
こちらのサーカスは元々は彼が経営されていました。
後は前に話した通りです。」
加えて元々は団長も兼ねていた事と、現在は引退し
彼らの事務所の社長兼マネージャーをやっていると言う事も付けられた。
タレント事務所の会長みたいな感じだろうか。
「加賀美クン達が来た事を終わった後にでも皆に伝えておくから、
是非とも挨拶に行ってあげてよ！
あ、今度は私達の方からも劇団の公演を観に行かせて欲しいね！」
「是非とも観に来て下さい。
黛さん、台本はもう書き上げてありましたっけ？」
「最低でも二本は完成してるよ。」
そう答えると、二人の偉い大人達が子どもの様に目を輝かせた。
その後も少し話して、別れる際に
楽しんできてよとギルザレンさんが言ってくれた。
開場まで少し時間がある様だ。
真樹と一緒にテントの近くを回ってみる事にした。
「最近のサーカスって物販があるんだ。
夢を売ってる割に俗っぽいね。」
『多分、ここだけじゃないかな。
それにその言い方は色々とまずい気がする…。』
彼女にやんわりとツッコまれた。
別の方を見ると、成瀬君がここの客であろう小さい子どもと話していた。
その子は何やら泣いている様で、
同じ視点になる様に屈んで話してあげている。
すぐ後に母親らしき人が来た。
その人は何度も彼にお礼を言っている。
別の所では、ハヤトさんと藤士郎がチラシを見ながら話していた。
意識を物販に戻す。
サーカスのロゴが入ったバングルを買った丁度その時、
開場のアナウンスの後にテントの入り口が開いた。
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螢羅(K-Ra)(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます！更新速度が遅い分、質の良いものが書ければと思います！ (2020年12月22日 20時) (
レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 更新楽しみにしてます！！頑張ってください！！ (2020年12月22日 20時) (レス) id: 6bec40b297 (このIDを非表示/違反報告)
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