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感銘 ページ20
「小説ってより。童話ですね。⋯色々考えさせられるラストですね。これ」
「そうだろう？はたして、血の色の薔薇が咲いたと言うのは踏んずけられた故に流れた血を指すのか、それとも、泥棒につまれて流した血なのか？」
「私個人的には復讐を誓った、そういう事かと思います。」
「へえ、どうして？」
なんでか、そう問われて、考える。
何となくだった。そう答えたのは、
私とお姫様は何となく似ていたから、自然と重ね合わせてしまったのかもしれない。
日常と言うコンクリートの壁が、突然の介入者によって崩れ去っていき、綺麗な景色を見た後、突き付けられる赤、赤、赤。
ぐらり、と目眩がして、足が怯んだ、「大丈夫か、」と小説家さんが声を掛けてくれる。
「いいえ、大丈夫です⋯うう、すみません。頭痛が痛いので部屋に戻らせて貰います。
また明日、ベイカーさん、小説家さん」
バタン、と扉を背中にした時、私は膝から崩れ落ちた。やっぱり、立っているのでも厳しい。⋯あの事件の記憶は、強烈だな。
フラフラと蛇行しながら部屋へ向かった。
「小説家さん！何かわかったなの？゛クルマさんの封じ込めてるナニカ゛と゛正体゛を！」
「ウッズさん、すまない。私の観察眼を持ってしても、封じ込めてる物も、荘園に突然現れた理由も、何も分からなかったよ。ただーーー少し、情報は引き出せたようだね。君も部屋を漁る振りをして聞いていたから、知っていたろう？」
「なの！復讐⋯復讐⋯かあ、
クルマさん、大丈夫なのかなあ⋯」
庭に咲き誇るエドガーの花を見て、庭師は1つ息を着いた
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作者名：楢葉 しのぶ | 作成日時：2022年9月7日 3時
