ギルティ ページ15
前回のあらすじ、
得意の萌え絵を見せた恵はワルデンさんにぶちギレられてしまったよ！美人が起こると怖いって本当なんだなあって思いながらギルティな罪悪感に苛まれているよ！
「⋯はあ、なんで自分いつもこう⋯」
何か失敗した時も、こうやって明るく誤魔化す事しか出来ない。解決へ向かおうとしない、怖いから。
月穂が居てくれたらきっとこう言うだろう、「本当人付き合い苦手だね恵は、それにメンタルも弱いもんだから、」と。そうやって憎まれ口叩きながら、私の為に、なんやかんやで相談に乗ってくれるんだ。
でも居ない今はーー。
私は無力だ。絵が描ける以外に何も出来ない。月穂が居なければ料理も裁縫も何も出来ない。解決方法も分からない。
今薬が手元にあってくれたら、こんな記憶も飛ぶんだろうか。ああ、でも、あれは沢山飲みすぎると
新しく用意された部屋の机に突っ伏す私の脳内でネガティヴ思考が循環する。
すると、予兆も無く扉が叩かれた。椅子を除けて、重い足取りで扉を目指す。
軋む音を聞きながら、開けるとそこには庭師、エマ・ウッズさんの顔があった。
他の人間達曰く、天真爛漫で途切れなく明るい笑顔を振りまいているらしいのだが、このウッズさんは何処か何処か重く、気を使っているようだった。
「タイヤさん、エドガーさんと喧嘩したなの？」
「そうですよ、萌え絵なんて苦手な人もいるだろうに。なんでお礼で見せようなんて思ったんだか。」
肩を落とすと、ぽつねんとしている物を見るように、ウッズさんは気の毒そうな顔をしていた。でも直ぐに、愛嬌の良い笑顔をして、言った。
「エマ、小説家さんの所に行って取材にいくなの！タイヤさんも良ければどうなの？」
「⋯取材？」
「そうなの！エマはナイチンゲールさんに探偵さん達の広報担当を頼まれているなの、あ、探偵さんって言うのは、誰で、何が目的なのか、分からないミステリアスな人達なの！」
「そうなの、探偵さん⋯不思議だね。」
「それでっ、えっと、⋯タイヤさんは来れるなの？」
思うと、そもそも私は試合とやらにまだ参加していないし、ナイチンゲールさんから何かを頼まれている訳でもない。
ここに居ても暇を持て余すだけだろうと分かる
「行く」と伝えると、花が咲いたように笑い。「わかったなの！」と弾む調子で言う。嬉しさが隠せずにいるな。と思うのは自意識過剰なのだろうか。
「じゃあ、じゃあ必要な物を取ってきてなの！エマは部屋の前で待ってるなの！」
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作者名：楢葉 しのぶ | 作成日時：2022年9月7日 3時
