【na/po/li】青春は確かにそこに在ったのだ。 (ページ7)

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(真っ赤だ)

外に出ると、校庭もすっかり夕焼け色。

今日は天気が良くて、丁度いい風が顔をすり抜けていくような、一日中、まさに良い天気。

そんな日の夕方の、空が赤く染まるこの時間帯に帰るのが何だか好きだ。

(帰ったら二度寝かな)

二度寝というより、三度寝、いやもしかして四度寝、

そこまで言ってしまえば就寝なのではと自分自身にツッコミを入れながら歩いていく。

「────危ない！！！！！」

『ん』

と、やけに耳をつんざく声の方へ顔を向ければ、

目の前に、サッカーボール。

────バシッ！

『ぶっ』

…思った以上の衝撃に、顔を抑えてよろめく。

こんな綺麗にボールを顔面キャッチすることなんて、生涯いくらあるだろうか。

貴重な体験かもしれない。

「あーーーっ！すまーーーん！！！」

と、威勢よくユニフォームからしてサッカー部員らしき人が近づいてきた。

…腕にキャプテンマーク。…三年生、先輩か。

「顔面当たったやろ！？ほんまごめんな…痛かったやろ…？」

『大丈夫なんで帰ります』

「エッ！？…いや待て、鼻血！鼻血出てる！」

『舐めときゃ治ります』

「いやいやいや、ダメやろ！保健室行くで」

『ええ〜〜〜』

その人は私の腕をグイグイと引っ張って出てきたばかりの校舎へ入っていく。

ああ、睡眠時間が削られてしまう。

じわりと鼻の下を伝ってくる、

舐めとると、口全体に鉄の味が広がった。

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