ありがとう、ごめん。

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『…御冥福をお祈りします。』







「ありがとうございます。」







今日はお母さんの葬式。







昨日のお通夜は本当にお世話になったお母さんの知り合いしか呼ばんかった。







葬式にはお母さんの働いてた会社の人達や、昔の知人、同級生の皆さんが来てくれはった。








『Aちゃん！』









「…槙田さん！」









槙田さんとは、お母さんと昔から仲が良くて、私が小学生の頃にお母さんが仕事で帰りが遅くなった時によくお世話になった方だ。







昨日まで海外に仕事に行ってたんやけど、お母さんのことを聞きつけて今日急遽日本に帰国してきてくれたそう。







槙『…本当に、辛かったわね…。』







「…槙田さん、ホンマに、ありがとうございました…。」








槙『そんな、…いいのよ。』








ホンマに、良い人や。
ありがとうじゃ済まされへんぐらい迷惑いっぱいかけてしもたなぁ。







槙『…御冥福をお祈りします。』







．









．









？「…A。」






、何で…








．









「…大倉さん、、みんな。」






振り向くと後ろにスーツ姿のメンバーがおった。


呼んでないのに、場所分かったんや。







錦「…何で、呼んでくれへんかったん…？」







安「そうやで！みんな、ついさっき今日Aのお母さんのお葬式してるって聞いたから…」








横「みんな仕事明日に回してもらって来たんやで？事前に言ってくれれば元々休み取ったのに…」







…。






「…仕事行ってもらっていいですよ？」






村「え？」







「…何で呼べへんかったんって…だって、仕事休んでまで来るようなことじゃないでしょう？」








丸「…何で？」








「…それに、貴方達と私のお母さん面識ありましたっけ？」








大「…俺はAのお母さんにあいさつしたかったから来た。それだけやで？みんなもそうやろ？」








他メン「…おん。」








「…っ、お香上げてもらえる？」








何か、調子狂うわ。








いっつも、こんな感じちゃうのに。






いつもは







もっと冷めてて、







責め立てるような眼差しで、








気遣いなんかされたこと無くて、








…やのに、この人らのこんな目、初めて見た。








瞳の中に、少しの哀しみの影が見える。









何で？







．









．








私のことなんかほっといたらいいのに。

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