コード・ブルー緊急救命～Ivy～ (ページ4)

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白石side

藤川｢お前が一番よく分かってんだろ、今のこのヤバい状況。｣

｢分かってる。｣

ー二時間前ー

私は医局で橘先生と話していた。

橘｢申し訳ない。｣

｢今三井先生にやめられてしまったら……｣

橘｢スタッフリーダーのお前には迷惑をかける。｣

今のフェローは、はっきり言って使えない。
緋山先生が、今日からもどってきてくれるけど、三井先生に、辞められてしまったら、シニアドクターの人数は変わらない。

｢理由も教えていただけないんですか？｣

橘｢プライベートなことなんでね。……、すまん。｣

｢緋山先生は知ってるんですか？｣

橘｢……｣

藤川｢緋山が戻るって聞いてちょっとは楽できると思ってたのに。っていうかさ、橘先生は俺たちに死ねって言ってんの？｣

｢何か事情があるのよ。｣

藤川｢お前は、橘に何も言えねぇからな。しょうがない。俺がビシッと言ってやるよ。｣

言えない癖に。
そんなことを思っていると、ちょうど、橘先生が、初療室に入ってきた。

橘｢おはよう。｣

藤川｢おはようございます。｣

橘｢あ、藤川。ヘリ戻った？｣

藤川｢あっ、今。｣

｢ビシッと言ってやるよ｣とか、言っておきながら、なかなか言わないので、ジェスチャーで、ビシッと、と伝えた。

橘｢何？｣

藤川｢あっ、いえ。｣

いわないの!?
ちょっと、意地悪しちゃお。

｢藤川先生がお話があるそうです。｣

藤川｢あ～、バカバカバカ…！｣

橘｢何だよ。｣

プルルルルルルルルプルルルルルルルル

するとホットラインが鳴った。

藤川｢あれ、また来ましたね。｣

｢翔北救命センターです。｣

《マンション火災で熱傷の患者です。受け入れ可能ですか？》

藤川｢高所転落の患者が来ますよ。この上救急車は厳しいんじゃないですか？｣

｢熱傷面積は？｣

《Ⅲ度25%。サチュレーションは、酸素10リットル。吸わせて70%です。》

橘｢どうする？｣

｢……受け入れましょう、運んでください。｣