第三者 ページ8
その後転校生、いや月水さんは授業を受けることなく教室から出て行った。
僕たちからすれば月水さんはカルマ君のような素行不良なわけでもなく、別に髪を染めるわけでもない。 今のところ校則に問題のある人ではない。
なのになぜ月水さんを自分たちとは違うと思ってしまったのか...。転校早々こんなことをするなんて、カルマ君でもビックリだよね。
『ね！渚！ 』
僕がさっきの状況をポカ〜ンと思い出していると、隣の席の茅野が話しかけて来た。
『あの子のことどう思う？』
『え...どう思うって…』
こんな質問今の状況では当たり前の質問だけど僕は答えを出すことができなかった。
『茅野は？』
答えを茅野に委ねた。今の僕は答えを出すことができないと思った。
『ううん、実は私もよくわからないの、この状況ではあの子は正しいことをしたんだよねって。でもあれだけでこっちがどれだけハラハラしたか...』
下を向きながら自分の意見を述べる茅野。だが答えまではたどり着けないようだ。
どう思う？より、どんな事をした？と言う回答だったから。
『うん、確かに緩みきってた殺せんせーを狙ったのはうまかったし、運動能力も想像を上回ってさすがの殺せんせーもやばかったみたいだし』
『でもあれってさ第三者からすれば自己中心だし協調性無いよね〜、まぁ見方を変えればかなり心強そうだけど。それに当の本人も殺せんせーもなんかあったみたいだしー？』
シン...とした教室の中、皆に聞こえるほどの声で意見論を述べたのはカルマ君。
確かに転校生って聞いてワクワクしてたのもつかの間、机吹っ飛ばして僕らそっちのけで口喧嘩。こっちとしては後片付けとかもあったから、自己中心的と思うのも無理もないかもしれない。
だけど方振り一発で教卓と殺せんせーを吹っ飛ばす力は味方にすれば強力ともいえる。あの素早さも殺気も僕らにとって足りないものをあの子は持っていた。
何よりあの子はナニカを知っている。僕らも先生達も政府も知らない、あの二人だけのナニカ。
『カルマ君は月水さんのことをどう思う？』
きっとカルマ君なら...、そう思い少し離れた彼に何う。
『んー？ 俺はねー、今一番高性能の対殺せんせー暗殺兵器かな...』
もっともらしい第三者の意見。人ではな兵器と言うところがまた。
しかし彼女は確かに今一番殺せんせーを殺せる可能性が高い、
いやそうでなくては、そう思って心を休めないと月水さんとは付き合っていけなかった。
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リリィ - 続き気になります！更新楽しみにしてます！ (2019年12月27日 7時) (
レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
遥緋(プロフ) - みずはさん» 年初めにこんなに嬉しいことあっていいんですか…(T-T) 私もシリアス書いてますがギャグ小説も好きです笑 応援ありがとうございます(^-^) (2019年1月2日 12時) (レス) id: 04acd519f5 (このIDを非表示/違反報告)
みずは(プロフ) - この小説、本当に大好きです！以前にコメントした多くの人達がおっしゃる通り、ハイクオリティな作品で本当に面白いです！自分はギャグ小説を書いている身なのですが、このようなシリアス小説読むのは結構好きなんです！これからも応援しています！ (2019年1月1日 21時) (レス) id: 59a7a927b3 (このIDを非表示/違反報告)
遥緋(プロフ) - チョコプラさん» ありがとうございます。歓喜のあまり心臓が痛いですわ…(T-T)ご愛読よりよろしくおねがいします。 (2018年12月30日 22時) (レス) id: 04acd519f5 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプラ - 遥緋さん» このクオリティなら月一でも文句は言えないです…、高クオ漫画の隔離連載みたいな…、嫌われとかの対応もしっかりしてて、自分の小説より原作に重んじてる姿勢もめっちゃ好感持てます、どうか完結までがんばって！！ (2018年12月30日 22時) (レス) id: 1ac327dbae (このIDを非表示/違反報告)
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