呼吸 ページ48
ボンッとベットの上に体を置かれる。 殺せんせーを見ると、分裂して見えるくらいの速さで包帯やら保冷剤やらを棚から出している。
『月水さん！足はこれで冷やしてください！！その腫れ方だと骨にも異常があるかもしれないのでテーピングもしましょう！！』
残像のように掠れた殺せんせーがAの前にバラバラと医療用具を置く。
『…さっきまで、私はお前を殺そうとしてたんだぞ。お前が身動き取れないのをいいことに刺したりもした。』
『……』
殺せんせーは黙ったまま、メグの脈に触手を当て、痣っぽくなったこめかみをいそいそと手当てする。
『…あのまま地面にたたき落とすのが正解な…』
『そう言う教室ですから。』
Aの言葉を遮る殺せんせー。
『咎めて欲しいなら、悪にならければなりません。』
殺せんせーはまたもやAの目を見ずにつらつらと話す。
『君がこれを意図的に行ったのなら、私はどれだけ怒ったでしょう。しかし、どうもせんせーにはそんな風には思えませんでした。』
Aは自分でも意図していなかった。ここであんな気持ちになるとは。
どうもこうもない。ただただぶり返したのだ。病院で床に伏せる母の姿が。
責任感にのしかかられた、疲れた顔をした人の眠り顔はどうにも胸に響く。
『君が私を刺した時、君のナイフには殺気が乗っていなかった。』
『！』
不意をつかれたような、気持ちになった。
暗殺対象を刺すナイフに殺気が乗らないなんて。
『君の悲痛な叫びを聴いているようでした。』
『…』
今度はAが黙り込んでしまった。
『助けを求める生徒のナイフなど、せんせーにとっては苦でも痛でもないんです。』
『っ！』
Aのツンっと心臓が痛んだ。
こんないい先生を殺すなんて…！！
____？
違う。
『っはっ、はぁっ…っぁ！はっ…、っ！』
急にAの呼吸が乱れ始めた。
酷い顔色で、ベットから落ちるようにドアの方へよろよろと向かおうとするA。
『月水さん！？』
『触る…っ、なぁっ！』
今度はきちんと、殺気のこもった形相で。
周りにあるものを掴みながら、何も手当されていない足を引きずり、片手で心臓を掴み歩き始める。
教室にっ、___薬がっ！
虚ろな目、おぼつかない足取りでドアを開けようとする。
ガララッ、
Aかドアに手を伸ばした時、ドアが開いた。
____________
ʕʘ̅͜ʘ̅ʔ白い粉とかじゃないよね？
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リリィ - 続き気になります！更新楽しみにしてます！ (2019年12月27日 7時) (
レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
遥緋(プロフ) - みずはさん» 年初めにこんなに嬉しいことあっていいんですか…(T-T) 私もシリアス書いてますがギャグ小説も好きです笑 応援ありがとうございます(^-^) (2019年1月2日 12時) (レス) id: 04acd519f5 (このIDを非表示/違反報告)
みずは(プロフ) - この小説、本当に大好きです！以前にコメントした多くの人達がおっしゃる通り、ハイクオリティな作品で本当に面白いです！自分はギャグ小説を書いている身なのですが、このようなシリアス小説読むのは結構好きなんです！これからも応援しています！ (2019年1月1日 21時) (レス) id: 59a7a927b3 (このIDを非表示/違反報告)
遥緋(プロフ) - チョコプラさん» ありがとうございます。歓喜のあまり心臓が痛いですわ…(T-T)ご愛読よりよろしくおねがいします。 (2018年12月30日 22時) (レス) id: 04acd519f5 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプラ - 遥緋さん» このクオリティなら月一でも文句は言えないです…、高クオ漫画の隔離連載みたいな…、嫌われとかの対応もしっかりしてて、自分の小説より原作に重んじてる姿勢もめっちゃ好感持てます、どうか完結までがんばって！！ (2018年12月30日 22時) (レス) id: 1ac327dbae (このIDを非表示/違反報告)
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