嘘 ページ10
「それはどういうことでしょうか、岩花マネージャー」
「彼が日本代表の選手にしたあの行為をお忘れですか
彼は裏切り者です。試合中にユニフォームを脱ぎ捨て試合放棄した選手ですよ？」
「確かに…」
「それに彼は私にセクハラ行為をしてきたんですよ！？
ほら！今だっ…！？」
「ねえ、お姉さん
お姉さんは西蔭が言ってた嘘つきでしょ！」
「え！？」
「西蔭はお姉さんの顔を見るたびに泣いてた！
西蔭に何をしたの？お姉さん！」
「が、ガキには関係ない話よ！」
「ガキじゃない！それに僕達は西蔭の家族だ！」
「血が繋がってないのに何が家族よ！
どうせあいつはお前達の才能だけ見て引き取ったのよ！」
「じゃあなんで西蔭は琥珀といてあんなに笑ってるの！？
血が繋がってない=家族じゃない。その考えは間違ってるよ！」
「そうだ！彼の言うとおりだ！」
「っー！このがき！」
と言うと蹴り飛ばした。
「ぐあっ！！」
「！？」
「何してるんだ！暴行だぞ！？」
「……」
準備をしていたオレは、クロの変な声を聞いて走り出してた。
真っ直ぐと。
嘘つきの岩花を通り過ぎ倒れているクロを抱き寄せた。
「に、しかげ…」
「……」
「なか、ないで。
死なない、から」
怖かっただろうに、
痛かっただろ。
なんで、クロ。
なんでおまえはがまんできる。
なんで俺の心配ができる。
クロ、クロ、
「クロ、ごめん、くろ、ごめん、」
「にしかげ、いたい、」
離さない。
強く抱きしめた、もうクロと琥珀は俺の側からはもう離さない。
クロを抱いたままオレはそのまま準備していた場所に向かった。
報道陣と岩花に話しかけられたが無視した。
「にしかげ、ごめんね。」
「クロのせいじゃない。
全部岩花のせいだから。
クロ病院行くよ。」
「だめだよ！西蔭！
この時を待ってたんでしょ！？
僕なんかよりも試合を！」
「僕なんかよりじゃない！！
自分の体を大切にしてくれよ…！」
「西蔭。泣いてる。」
「オレだって泣くよ！」
袖でこぼれ落ちる涙を拭き取り、ユニフォームなどが入っているカバンと琥珀を抱っこした。
「よお！ゴッドストライカーの吉良様だぜ！
？Aなんで着替えてねぇんだ？どこにいくんだ？しかも。」
「…お前のところのマネージャーにこの子の腹を蹴られたから今から病院に行く。
試合はなしだ。お前たちを潰すのはまた今度にする
報道陣を巻き込んだ俺が馬鹿だった。今度から違う方法に…」
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作者名：無色無名作家 | 作成日時：2020年1月6日 0時
