夢 ページ5
「な、なんと…
言葉も出ないほどの威力…
Aは、何者なんだ…、」
「ああ！天馬くんだね！
久しぶりだね！
元気にしてたか！！！バカみたいに俺に憧れを持ってさ！！馬鹿じゃないの！！？
お前たちがどれだけ努力しても！
お前たちが汗水たらしても！
その努力は一ミリも報われないよ…？」
そう言うと、転がっていたボールを蹴り飛ばした。
見事にゴールへと一直線。
ゴールネットを突き破り見学している人にそのまま当たりそうになった。
「あ。」
それに気づいたAは、走り出した。
ビリビリと音を立てる電気の音。
「イナビカリ・ダッシュ」
見学している人に当たる前にボール足に挟みキャッチした。
当たりそうになった人に謝り、そのまま歩いて戻った。
また天馬のそばに行き、質問した。
「天馬くん！
きみの夢はなんだい！」
「ぁ…、」
憧れだったAが変わってしまったことに絶望しているのか、目にハイライトがない。
「聞こえてる？
夢はなに！！」
それでも質問するAを見て、円堂が声を上げた。
「やめろ！A！！」
「来るな！！
それ以上近づいたらここのサッカー部は廃部にさせる」
「なっ！」
「天馬くん。
君の夢は何？」
「あ、…あなたと、っ、
サッカーを、すること…！」
「え？
あはは！！くだんな！！
どうした？
くだらないよ？」
「やめろ！！」
「黙ってろよ、円堂守」
「何がしたいんだよ！！サッカーが好きだったAはどこに行っちまったんだよ！！」
「A！何があったんだ！この10年間で！
何があってサッカーが嫌いになったんだ！」
「…理由があってもお前らには言わねぇよ。」
「A…！！！」
「野次馬が多くなってきたな…
引き上げるぞ！」
「ま…て、！」
と足首を掴んできた天馬。
「…なに」
「あなたは…、なぜ、
なぜ…、」
天馬はそのまま気絶してしまった。
「…天馬だけに教えてやるよ。
オレはマネージャーに意地悪されてた
人気だったから。ただの嫉妬でできたイジメ。
だからオレは、試合の最中に抜け出し日本代表をやめた
試合は勝てたからいいけど、勝てなかったらもっと炎上していたはず。
なあ、天馬。
俺達を地獄の底からすくい上げてくれよ
もう一度サッカーは楽しいものだ。って
俺に叩き付けてくれよ。な？いいだろ？天馬。
それと天馬、
大きくなったな。」
頭を撫でるとそのまま車に乗り雷門中から出ていった
試合は無効試合となり、天馬達は軽症ですんだ
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作者名：無色無名作家 | 作成日時：2020年1月6日 0時
