終結 ページ32
今やっと後半の終わり頃。
前半はキーパーは無事で、そのまま前半終わった。
後半が始まった瞬間琥珀が点を入れ2-1
その後に天魔が点数を入れ2-2
残り5分ちょい。
引き分けで終わるな。これ
実況の声も聞こえないほど俺は集中していた。
本当に楽しそうに琥珀とクロたちがサッカーをしていたから、俺はそれに目が行って仕方がなかった。
ここまでこれたのは彼らのおかげ。
サッカーを潰したい。から雷門を潰したい。へと変化したこの気持ちは、彼らの中にある闘志を燃やしていたはず。
ああ、楽しそうだ。
う ら や ま し い
「A選手！飲み物どうぞっ！」
と肩をたたかれオレは呼吸が止まりかけた。
「っ！はっ！」
横を振り向けば驚きの表情を浮かべている灰崎。
「は、んだよ…お前かよ…」
「んだよ、びびらすんじゃねえよ…
ほら、水の飲め。」
と渡されたのは水が入ってるコップ。
「…ありがと、」
「…まだ思い出すのか。」
口に含んだ水を飲み込み、コップを灰崎に返した。
「___________ああ」
「…そうか、」
どこまでもついてくるこの記憶。
どうすれば開放される。
どうすることもできない。
楽しみにしてた、子供の試合を見るのを。
けれども脳裏に浮かぶのは岩花の姿。
神様。
オレは何かしましたか？
何もしてないから？
後半終了のホイッスルで我に返った。
得点は変わらない。
みんなの顔を見ると笑っていた。
「試合終了っ！！！
雷門前回とは異なって同点で押さえ込んだあああ！！！」
「…よかったな」
「…ああ、
笑ってるから悔いはないだろうね。」
「A選手！！
あなたがどう言おうとおれはあなたを尊敬し
あなたのような選手になってみせます！！」
疲れているのにも関わらずに走ってオレの所に来てくれた。
俺の目をちゃんと見て話している。
「…天馬、
オレみたいにはなるな。
オレはお前が思ってるほど強くないしかっこよくもない。
考え直してくれ、これはお前のためでもある」
「いいえ！俺はなってみせる！！
A選手のように！！」
「…はぁ、わかった。わかった。
じゃあ、これをあげるよ。」
カバンの中から取り出したのは一冊のノート
「これは？」
「お前たちの技の弱点などをまとめたノート
今の試合で大体はわかったから、直してみな。
もっと上達するよ、サッカー。」
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作者名：無色無名作家 | 作成日時：2020年1月6日 0時
