絶望 ページ12
オレは夜の食事のときにチームのみんなに睡眠薬をいれた。
明日の試合に行かせないために。
朝起きてみれば未だに眠ってる二人。
「A、終わった」
「…ああ。けどもう少し」
クロ、琥珀…
ごめんね。
二人を抱きしめ、 ベットを降りた。
「ごめんね、
君をこんなことに巻き込んで」
「ホントだ。けどな、お前が何をしようがどうでもいい。サッカー本気で潰したいなら学校に圧力かけてやめさせればいい話なのにお前は自分で足を運んでる
まだお前はサッカーは楽しいものだって思ってるからだろ。」
「…余計なことは言わなくていい」
「俺にも言う権利はあんだよ！
てめぇだけ一人に背負わせるわけには行かねぇ！」
「…灰崎。
余計なお世話だ。行くぞ、」
「…ああ」
寝室の扉をしめ、朝食も食べずに着替えた。
荷物を持ち、二人乗りの車に乗りこみエンジンをかけた。
「お前は本物の馬鹿だ。」
「ああ、オレは馬鹿だよ。
みんなを頼むね」
「は？何言ってんだ？
俺も行くに決まってんだろ」
「…は？」
というと助手席の扉を開け乗り込んだ。
「ちょ！なんで！」
「うるせー。
俺の勝手だ。」
「…いくぞ。」
「ああ」
アクセルを踏み会社を出た。
自動で開く門。オレの車が出たあとすぐに閉まった。
一時間弱かかったが、永世学園についた。
報道陣は永世学園に入っていく車に気づいたがオレが乗って無いと勘違いしスルーした。
オレと灰崎はかつらをかぶりマスクをつけていたから気づくことはなかった。
車を駐車場へ止め荷物を持ち校庭へ向かった。
灰崎はオレについてきてたが、流石に見学者と同じ場所にいた。
いつの間にかかつらとマスクは捨ててた。
それを見てオレもマスクとかつらをとった。
着替える場所がわからなくて俺はトイレで着替えた。
ズボンだけ着替え、上は後で着る。
久しぶりに半ズボンを履いたから違和感が半端ない。
「あー、スースーする。」
「意外と似合ってるね。」
後ろから話しかけられたのは基山タツヤ。
「…うっせぇ。」
「いやだな、なんでそんなにイライラしてるんだ？」
「…」
「岩花の件だけど、上からの圧力で君が出した被害届は消し去られたよ」
「え？」
「今日嬉しそうに話してた。
パパが被害届を消してくれた。って」
言葉も出なかった。
警察もクソだった。
正義を掲げてる警察はどうした。
俺は絶望した。
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作者名：無色無名作家 | 作成日時：2020年1月6日 0時
