5-2.黒い過去2 ページ10
・続き
でも、運がいい事に俺らは同じ小学校だった。
tn「A!」
『誰ですか?』
tn「俺だよ。トントンだよ!」
Aは虚ろな目をしていた。
『どこかでお会いしましたか?』
tn「どこで会ったも何も、一緒に暮らしてたやろ!」
『そうなんですか?でも、僕は覚えてないので』
tn「そんな...待ってやA...また俺を1人にせんといてや...」
Aが引き取られた家は宗教絡みの家だった。記憶を消され、洗脳されていた。
tn「なんで...なんで俺は...本当の家族まで失わなきゃいけないんや...」
その日から俺は生きる気力を失って、ずっと教室の隅で泣く事が増えた。授業が始まっても席に着こうとせず、ただひたすら教室の隅で座ってた。先生にも迷惑かけて。ずっと、ずっと。
でも、とある日、俺を尋ねてAがやって来た。
『あの、トントン先輩』
tn「Aっ...」
トントン先輩って言われたのは不屈だったがAに名前を呼ばれるだけですごく嬉しかった。
『その、オスマン先輩が、「トントンがね、Aちゃんに忘れられてずっと落ち込んでるんだ。だから話しかけに行ってくれない?」って言われたんです。でも、本当に僕、先輩の事が分からないんです。でも、トントン先輩の事を思い出そうとすると頭が痛くなるんです』
tn「そ、か。あの時、バラバラになるの、反対すれば良かったんや...」
『泣かないでください。でもどこか片隅でトントン先輩の事、覚えてる気がします』
tn「ほんま?」
『はい。昔、誰かと4人で暮してて、女の人が男の人に殴られ続けて死んでしまった事、その男の人に自分も殴られた事、そして、その人を殺した事。一緒に居た男の子と別れて住むことになった事。でも、誰が誰か分からないんです』
tn「その一緒に居た男の子は俺。女の人はAの母親。男の人は父親。俺はAの母親に両親を亡くしてさまよっていたところを保護された。そっから一緒に暮らしてた」
『なんとなくわかる気がします』
tn「なあ。思い出せなくてええ。また、いつか、トン氏って呼んでや。また一緒に山ん中走り回ろうや...」
『はい』
"またAと遊べる。接点を持てたんだ"それだけで嬉しかった。Aが話しかけてきた時、あの時の虚ろな目ではなく、すごく澄んだ目をしてた。それを見た時、もう覚えてられなくてもいいからAとずっと一緒に居たかった。もう、1人じゃない。
そう思ってた。
文字数制限っすわ_(:3」∠)_
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作者名:Alan Fuller | 作成日時:2021年1月1日 5時