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『ねぇ猿山せんせ、私先生のこと好きだよ』
敢えて過去形にはしない。
この気持ちは多分、墓場まで着いてくるから。
「だから知ってるって」
猿山先生は、軽薄に笑ってそう答える。
いつもはここで終わり。……でも、今日は。
『……先生は？
先生は私のこと、どう思ってた？』
大股一歩、踏み込んだ。
最後だからこれくらい良いよね、猿山先生。
そんな気持ちでちょっと自嘲気味に笑うと、当然のように飄々とした答えが返ってくる。
「好きだよ、今も」
『………えっ！？！？』
「何その顔〜」
茶化すような、揶揄うような顔を信じられない思いで見る。
視界の端で、薄黄色いカーテンが風に大きく盛り上がった。
『……マジで？』
「マジマジ。ずっと好きだった」
うんうんと頷かれても、どんな顔していいのかわからない。
だって、だって……
『それ、私がどれだけ待ったと思ってんですか！？』
「そりゃ悪いことしたわ」
『…………ほんと、ほんっとに………』
絶句。
そんな軽く、しかもさも当たり前みたいに「答え合わせ」するとは思ってなかった。
何なの、本当に。
「正直Aが『抱いて』とか言ってきた時は流石にヤバかった。後一歩で襲ってた」
『なっ……』
「あれ？こう言う話耐性あるんじゃないの？」
『あんたが言うのは別！！』
思わず顔が熱くなる。
それを揶揄う猿山がちょっと微笑んで、それから私の指を絡め取った。
『ちょ、近い……！』
「もうAも卒業だし、いいかな〜と思ったんだよね。」
所謂恋人繋ぎで両手を掴んだまま、壁へにじり寄っていく。
いち、にい、さんと後退って、よんで壁に背中が当たった。
そのまま、先生の顔が近づいてきて、慌てて目を閉じる
唇と唇がくっつく直前、猿山が言った。
「……長いこと待たせてごめん。もう、誤魔化さないから……
……俺の彼女になってくれない？」
はっと息を吸って用意した返事は、声になる前に猿山に飲み込まれる。
教壇で泣いてる過去の私が、記憶の向こうで笑った気がした。
(完)
終わり
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774号（現在稼働中）(プロフ) - 〜さん» わ、ありがとうございます〜！今後色々加筆修正するかもです！ (3月30日 6時) (
レス) id: d970fcc3ac (このIDを非表示/違反報告)
〜 - 完結おめでとうございます！！こんな神作を執筆中に見れたという事を誇りに思います！！ (3月29日 21時) (レス) @page8 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
774号（現在稼働中）(プロフ) - 〜さん» ありがとうございます！続きをもう少々お待ち下さい！ (3月26日 17時) (レス) id: d970fcc3ac (このIDを非表示/違反報告)
〜 - 好きです！！！もう最高です！！！！ (3月26日 13時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
774号（現在稼働中）(プロフ) - しぃさん» ご注意本当にありがとうございます、なぜか外れません、、、現在運営様に報告しております。 (3月25日 22時) (レス) id: a4d1e34ed0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：774号（現在稼働中） | 作者ホームページ：続きます
作成日時：2024年3月25日 19時
