【d!】ドキドキ！我々文芸部っ！！【gr】

迢ｬ逋ｽ ページ18

こちらを見据えたグルッペンは淡々と話す。




「それじゃ先ず、大前提から話すわ。


俺は生まれつきこの世界がゲームだと“知っていた”。そして、貴方がプレイヤーであることも。


ここにいる奴らは、プレイヤーの操るこの女に恋をするとプログラムされている。


それが、なんとも寂しくてな……。





コネシマもロボロもシャオロンも、結局はキーボードで打ったプログラミングの構文にすぎん。


黒字に白の文字列なんだよ、所詮。俺も、俺以外の奴も」







「……気がついていたかも知れへんが、俺は恐らくこのゲームの攻略対象外や。いわばモブ、だ。笑ってまうやろ？

みんなが持っとる恋愛感情なんてもの、今まで主人公の女には湧かなかった。



疎外感で苦しいし、もどかしかったよ。」




「そんな時、貴方に会った。


プレイヤーである貴方は、俺の世界に彩を与えた。






貴方に……俺は多分、恋をしてる」





「初めてやった。こんな風に、本当に寸分違わぬ毎日を過ごしていく中で、初めて変化があった。


貴方を好きになった、それだけで、や。」




まるで現実世界に手を伸ばすように、グルッペンが指先をこちらに向ける。

なんだか本当に手が伸びてきそうで、思わずドキッとしてしまう。





「俺の全ては貴方なんや。……わかるか？





…俺と貴方が結ばれる可能性がゼロに近いこの世界で、どうやって貴方を俺のもんにしようか考えた。


考えて考えて、ようやく見つけた方法がこれや。




……周りのキャラクターファイルの破壊，削除。」





「同胞を殺す……いや、消すのは最悪な気分やった。




最初はシャオロンを消した。アイツは一番…精神が脆弱だったから。




せめてもの弔いとしてこの世界のことについて話した後に、プログラムを書き換えた。案の定アイツは……首を括って死んだ。」




一瞬苦しそうに顔を歪めると、また話し出す。

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