リセット＝セーブ【松野千冬】

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｢あ、目覚めた｣

『かず、とらくん……』




1000回目の、ループだ。



今日の日付は……10月21日、うん、今回は結構時間がある。いつもは大体11月だから。



それにしても、今回は一虎くんがそばに居るのか。

確か……10回ぐらいしか、なかった気がする。いつも目覚めたら千冬が居たし。




｢急に倒れるからびっくりした｣

『あ、あはは……ごめん』

｢アイツ今接客してるから、オレ変わってくる｣




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｢A……熱はねぇけど、大丈夫か？｣



シフト……一応労働基準法には則ってるから、ブラックでは無いと思うけど……とシフト表を見る千冬。




｢とにかく今日はオレが送るから、家帰れ｣

『え、でも……』

｢いーから、オレはAが心配なんだよ｣



ニコッと明るい大好きな笑顔が、暖かくて。




｢なっ、泣くほどしんどいか！？｣

『っ、う、うぅ……』



思わず、涙が溢れてしまった。

いつもいつも、1000回目も、ここで泣いてしまう。

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