《BTS》新人発掘課の私、無名練習生を世に放つ。 (ページ10)

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『お疲れ様です。』

重たいドアを開けて練習室に入ると、鏡越しに私に気付いた彼らは大音量で流していた曲をすぐに止め、振り返った。

JK「Aさん…！お疲れ様です。」

NJ「Aさん…すみません。
毎回練習に付き合わせてしまうことになって、」

『いえ、全く問題ありません。マネージャーですから。』

熱気の篭った練習室。

少し足を踏み入れただけでも頭がくらくらしてしまいそうな程体力を奪われるというのに、
彼らは流れる汗を無造作にタオルで拭いながら、また鏡に向き直った。

HS「さっきの続きから。

ねえ、そのテヒョンの身体の向き、どうにかならない？他のメンバー見て直して欲しい。

あとジニヒョン、この後のフォーメーションなんですけど、ジョングクが動きにくそうなので調整して欲しいです。

それからジミナ、」

言葉に一つの迷いもなく、的確にメンバーに対してアドバイスしていくホソク。

それを受け止めた上で自分の身体に落とし込んでいく作業。
鵜呑みにせず一度実践してみて、納得出来なければ話し合い。

そんな一つ一つの細かな修正を重ね、丁寧にじっくりと完成されていくパフォーマンス。

『……もうこんな時間…』

気付けば私が練習室に来てから既に3時間が経ち、時計の針は22時を指していた。

『皆さん、今日もこちらで？』

JM「はい！移動時間が勿体無いですし、」

練習後、申し訳程度に私服を並べ、その上で寝るのが日課になっている彼ら。

以前朝に練習室に来て、初めてその光景を見た時は流石に開いた口が塞がらなかった。

『タオルケットお持ちしますね』

JM「いえ…！大丈夫です！」

『本当は、ちゃんと宿舎に帰ってゆっくり休んで欲しいんです。』

JK「Aさん…」

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