《BTS》新人発掘課の私、無名練習生を世に放つ。 (ページ2)

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マンスリーの子が上級クラスに所属するとなれば、停滞していたデビューへの道もまた開かれる。

『いつからですか？』

「そんな甘いもんじゃないからさ、まずは再来週のオーディション受けてからなんだけどね。」

『まーだチキってるんですか、上の人』

「おい、しーっ、聞いてたらどーすんだよ」

本当に運が良かったのは、かれこれ9ヶ月間もの間、毎月マンスリーへ応募をしてくれていたことだ。

勿論、この事務所一本に絞って応募している訳ではないと思うが、それでも、彼の中にBigHitでデビューを果たすという夢があった事。それが一番の奇跡。

そうして彼の魅力は9ヶ月間、9回の応募でひしひしと伝わってくるわけだが、お偉方はそのまま事務所に練習生として入れる事はできないと言う。

『誰が見たって彼は逸材なのに。』

「だよな。俺もそう思う。

でもまあ、彼なら絶対受かるだろうから」

『…そうですね』

9回も彼の本気を見て、それでもまだ飽きず心を震わされる。

女性キーも難なく歌いこなしてみせた特徴のある歌声と鍛え抜かれた体幹でしか踊れないあの動き。

これが私達が求めている、唯一無二の突出した魅力だ。

Big Hitから輩出される初のボーイズグループを、早くこの目で見たくて堪らない。

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