《BTS》新人発掘課の私、無名練習生を持つ。 (ページ9)

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「「宜しくお願いします！」」

鼓膜が破れそうなくらい大きく響いた挨拶。
誰もがデビューの為に命懸けである事は、その焦りと態度で分かる。

『無理しないで下さいね』

JK「ありがとうございます。今日こそ頑張ります。」

練習2日目。

チョンジョングクが倒れない事を願いながらのレッスン見学。
他の担当者もほぼ全員が見学に来ている。

最初の一回行けば後のレッスンは行かなくていいだろうと思っていた私も、彼の事が心配で結局来てしまった。

「3回流すから振りちゃんと入れてね〜」

ダンストレーナーの方の言葉に驚きを見せているのはジョングクと私だけで、他は皆、当然といったような顔で頷き、返事をした。

3回流すだけで振りを入れる？…私なら絶対に無理である。

彼も3回で振りを入れるというのは前代未聞の事態らしく、元々大きい目をもっと開いて私とアイコンタクトをとった。

「ジュヨン、形になったね、いける？」

「はい！」

2回目にしてほぼ完璧に振りを入れたジュヨンは、トレーナーに指名されてソロで踊り始める。

3ヶ月間という練習期間は、彼らの運命をガラリと変える大切な期間。
皆が死物狂いでピックアップを待っている。

レッスン中にもアピールをしなければ、トレーナーに声を掛けてもらうことすら無いのだから。

実力を磨く場であるはずなのに、ここはまさに戦場。

デビュー出来るかどうかはもうここから始まっていた。

本当に厳しい世界なのだ。

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