《BTS》新人発掘課の私、無名練習生を持つ。 (ページ6)

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"15歳カンヒョンソクです…！
以前はCUBE Entertainmentさんで練習生をさせて頂いておりました！よろしくお願いします！"

"17歳キムソンミンです…！
以前はPLEDIS Entertainmentさんで練習生をさせて頂いておりました。よろしくお願い致します！"

"16歳ミンジュヨンです。
以前はSM Entertainmentさんで練習生をしていました。よろしくお願いします。"

あの子か。ジュヨンっていうのは。

「さすが。風格あるね。」

初レッスンで皆が一人ずつ自己紹介をする中、コソッと耳打ちしてきたのは暇そうな先輩。

『私あの子達知らないです』

「えっ？！知らないの？！」

選考漏れで練習生の話を持ちかけられるのはよくある事ではなく、ここにいる子達が殆ど練習生としての経験を持つように、
アイドル界というのは経験のある子ばかりで回る狭い世界だ。

その中で1人、まず全く持って無名であり、練習生としての経験どころか今回のオーディションが初参加、ボーカルレッスンもダンスレッスンも通ったことの無い初心者が居た。

私の担当するチョンジョングクの事だ。

"じ、じゅ、14歳のっ、…チョンジョングク…です、よ、よろしくおね…、"

『ジョングクさん？！』

おどおどする彼に周りからの視線は集まり、張り詰めた空気が漂った時、彼は宜しくお願いします。と言う前に倒れた。

『大丈夫ですか…？！』

14歳の子供とはいえ、成長期真っ只中の男の子は私一人で持ち上げられる程軽くは無い。

『すみません、先輩、』

「はいよ」

周囲がざわつく中、私達はレッスン室を出て廊下のソファに彼を横たわらせた。

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