《BTS》新人発掘課の私、無名練習生を持つ。 (ページ5)

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『学業の事も大変だとは思いますが、ジョングクさんの普段の生活を崩し過ぎないよう、こちらも調整して参りますので無理なさらないで下さい。』

JK「ありがとうございます。」

『後日契約書を送付致しますので必要事項をご記入後、発送して下さい。』

JK「はい。宜しくお願いします。」

『こちらこそ宜しくお願い致します。』

席を立ち退出を促す。
コートとリュックを両手に持ち、廊下に出る彼。
会議室の扉を閉め、私も彼の後を追った。

『有難うございました。気を付けてお帰り下さい。』

JK「ありがとうございました。」

深く礼をして事務所を出ていく幼い後ろ姿を見届けて、オフィスに戻る。

＿＿＿『どうして落ちたんだろう…』

オーディションに送られて来た1次選考時の彼の動画を見ながらふと思った。
14歳でまだ未熟ながらも、彼の声質は芸能界に十分通用するものだと思ったし、ダンスもこの事務所の中では上手い方だと思う。

「3次選考歌えなかったんだって」

いつの間にか後ろに居た先輩が私の問いに答える。

『歌えなかった？』

「ほら、2次は事務所でビデオを撮るじゃん？」

『そうですね』

「3次でやっと人前に出てパフォーマンスをするでしょ。

緊張して歌えなかったって。
聞いたらあの子極度の人見知りらしい。」

『極度の人見知りでよくアイドルになろうと…』

正直見損なった。
私がどうこう言える立場じゃない事は百も承知で思ってる。

「でもさ、
彼には確かな実力があるわけよ。

だから社長も練習生として受け入れたんだろ？きっと」

『でも人見知りって、』

「これから成長するんだよ。

まじであの子大スターになるって。」

ポンポン、と、何故か慰めるかのように私の肩を叩いて先輩は颯爽と去っていった。

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