《BTS》新人発掘課の私、無名練習生を持つ。 (ページ26)

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JK「Aさん」

『はい、』

休憩が入り、他の練習生達が一生懸命息を整える中、辛い練習をすっかりこなして話しかけてきたチョンジョングク。

倒れる心配はもう無いし、ここに来る意味は無いと思っていても、
それでも尚来てしまうのは、毎日成長する彼が興味深くて堪らないからなんだろうと思う。

JK「試験の件ですが、行かせて下さい」

カカオトークでグループを作ったとも聞いたし、練習生はお互い普段から話す機会もあるのだと知っているからこそ、彼の決断には不本意にも心打たれた。

先輩の言うように、優先順位の中では試験でさえ練習の後である練習生は多いのだろう。

その他大勢の流れに流れるままではなく、自分の事を考えて、考えたなりに決断した事だということはすぐに伝わったし、

何より人見知りであるはずの彼がまた成長しているのも感じた。

『勿論です。
練習後、スケジュール調整しましょう。』

JK「ありがとうございます。宜しくお願いします。」

相変わらずの深い礼に思わず顔が緩む。

私はそろそろ自分が彼の魅力に惹かれていることを認めるべきなのだろうが、認めてしまえばそれはそれで別れが寂しくなってしまう気がしてならない。

3ヶ月間という期間をこんなにも大切に思ったのは初めてだったし、
練習生にこんなにも肩入れした事も初めてだった。

「ニヤけてんぞ」

『っ、先輩』

「ジョングクくん可愛くなってきちゃった？」

『こんなに素敵な子に出会える事…

多くはありませんよね。』

「そらそうだよ。

しっかり大事にサポートしろよ。」

再開された練習風景をまた見つめながら、先輩の言葉に強く頷いた。

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