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NJ「ホソガ、彼らに教えてあげて欲しい」
HS「ん。おっけー。」
他クラスが、ましてや下級クラスが上級クラスのレッスンを見学するのも異例だというのに、
見学という垣根を超えて手取り足取り指導しているこの状況は極めて珍しい事であった。
『彼らの練習の負担にならないと良いですが…』
「盗めるもんは盗んどいた方がいい。
直接教えてもらえる事なんて無いし、自分より遥か上の実力を持つ人を前に見据える事でまた一歩踏み出せる事もある」
先輩が本来の人格を取り戻して来たような気がする。
そもそも私が最初に会った頃は、本当に静かで真面目な人だったのだ。
それがあんなにひねくれたおふざけ社員になってしまったのだから、どういう経緯があったのか聞きたい。
「おい今なんか失礼な事考えただろ」
『いえ。』
JK「このステップは重心をどこに置くイメージでしょうか…？」
HS「うーん、このステップは基本、右、左って重心を変えることで成り立つんだけど、」
ほら、見てみ。と、何かを企んでいるような好奇心に満ちた表情をしたまま踊ってみせるチョンホソク。
JK「…雰囲気が全然違う…」
HS「そうそう！そうなんだよ〜！
重心は置かずに、流れのままに身体を動かしてごらん。
お！そう、そんな感じ…！」
練習室の隅で指導を受けるジョングクは、真剣な表情をしていながら本当に楽しそうだった。
『あんなに嬉しそうな顔するんですね』
「え？嬉しそう？俺には真顔にしか見えん」
彼にとって良い経験になれば本望だな…なんて、過保護過ぎる自分の思考回路に驚く。
「あ、聞いた？
あの子達、候補5曲分のフォーメーション予め用意してたらしい。」
『私達が追い出された時に打ち合わせしたのみですか？』
「そうだと思うよ」
いつも通り踊ってくれれば、俺達が合わせる。
そう言う彼らの頼もしい姿が、今なら頭に浮かんだ。
『並大抵じゃ出来ない…』
「それをやって退けちゃうのが彼ら」
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作者名：ななペコ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Nanapeko71/
作成日時：2021年4月9日 0時
