《BTS》新人発掘課の私、無名練習生を持つ。 (ページ21)

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そのパフォーマンスを引っ張っているのは紛れもない上級クラスの練習生で、
まだまだあどけない下級クラスの練習生は未だ戸惑いの色をちらつかせながらも一生懸命に踊っていた。

打ち合わせなどしていない。
彼らは初対面である。

だとすればこれはさっき、私達が追い出された理由に繋がるだろう。

今日が初対面だなんて信じられない程いとも簡単な軽々しいフォーメーションを行う彼らに、周りは恍惚しきっていた。

私達を追い出したあの短時間でフォーメーションを…？

もし本当にそうならば、
彼らは異才としか言いようがない。

『…凄い。成長してる。』

我が子を見守るような目で練習生を見ているのはどの社員も一緒。

初めての共同作業が"1週間で一曲仕上げる"だなんて、大人は初めから諦めていたのかもしれない。

それでも彼らは僅かな期待に応え、間違いなくスキルアップしている。

「「ありがとうございました！」」

最後のタイミングもバッチリ。
初対面でありながら彼らは一体感を既に持っていた。

「めっちゃ上手で俺ビビった笑」

「努力って大事なんだよな」

「こうして一緒に踊ることが出来て光栄だよ」

「これからも一緒に競い合っていきたい」

上級クラスの練習生は口々にそう言い、照れる下級クラスの練習生が、恐縮です…！だなんて焦りながらに礼をする。

暫く彼らの間では笑顔が絶えなかった。

「自己紹介、軽くした方がいいのかな、」

下級クラスが見学に来るなんてきっと早々無い事なのだろう。

進行に迷っている練習生の小さな独り言に、
是非お願いします。と力強く頷いたのはジョングクだった。

「じゃ、

自己紹介させて頂きます。

キムナムジュン 17歳
9ヶ月間練習生として事務所に所属しています。

今日はお忙しい中足を運んで下さって有難うございます。」

17歳にしてもう既にこの貫禄。

すらっとした背の高い格好と、知的な立ち振舞に、この子が社長からの大きなバックアップを受けている例の練習生だという事は、

きっとこの場に居た誰もが分かったであろう。

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